PBP(Paris-Brest-Paris)

【2023PBP走行記 その7】PC3:TINTENIAC~PC4:LOUDEAC(435km)まで

morou2

PBPの走行記録その7です。今回はPC3のタンテニアックを出て、435kmのPC4のルデアックまで。前回(その6)はこちらから。

■補給ポイント:Quédillac(379km)まで

最短区間距離

次のポイントは補給ポイントであるケディヤックまで。区間距離は実に25kmしかなく、早い人なら1時間もあれば到着してしまいます。ケディヤック⇒ルデアックの区間距離である57kmと合算しても82kmですから、ここはスルーする人も多いと思います。

ケディヤック⇒ルデアックも含めたコースプロファイルは以下の通り。中盤はひたすら登り基調の辛いステージ。

ルデアックではドロップバッグが置いてあり、着替えや補給を行う予定。必然的にそれなりの時間滞在するため、ここで仮眠をする人も多いです。私は人の多いルデアックは避けて、空いているはずの次のサンニコラで仮眠を取る計画としています。サンニコラの到着時刻的にも23時前後としており、タイミングも宜しいです。

恒例のEdge530トラブル

さてタンテニアックを13:50くらいに出たところで、サイコンとして使用しているEdge530が初めて見るアラートを上げてきます。

『Memory Almost Full』

メモリーが間もなくいっぱいになるらしい。もっと早く言えよ…。

このEdge530(英語版)は2019年に購入したもの。ちょうど前回のPBPがあった年ですね。拡張バッテリーがあるため長らくメインのサイコンとして活躍してきましたが、ここフランスに来てこんな危ない内容のアラートを繰り出してくるとはさすがGarmin。

7月は『Di2のアジャストモード画面が出まくる障害』で散々苦しめられましたが、PBP本番でこれですか。恐らくですが、メモリーが一杯になったら1,219kmもあるPBPのログは保存できませんよね。だからアラートを出しているんでしょう。優しいですね。
※ちなみにアジャストモードの障害についてはショップでDi2のファームを全て上書き更新したところ、今に至るまで発症しておらず、解決したものと思われます。

現時点では『Almost』なので、まずは『Full』になるまで様子を見ようと放置。すると15分後に早くも『Full』になってしまいました。おい(笑)

申し訳ない…と思いつつも日本にいる皆さんの力を借りることに。ツイッターで『対処法を知っていたら教えて。。。』とつぶやくと、何人かの心優しい方からリプライが。一番確実そうなのは初期化することですが、既に7月のアジャストモード画面障害の際に2回ほど初期化しているんですよね。

とりあえずわずかに記録されていたいくつかのアクティビティログを消し、様子を見ます…が、アラートは消えません。その後も30分に一度程度は『Memory is Full』のアラートが出るので、その都度表示を消すという面倒な作業をひたすら続ける羽目に。

そしてトラブルの解決自体は諦めました。ログが保存できなかったら悲しいけども、まずは完走が優先です。サイコンとしては正常に稼働していますし、もしかしたらログが保存できる可能性もあるわけですし。

結果としては、アラートは復路のどこかでいつの間にかでなくなりました。そしてログは無事に保存できており、STRAVAにもアップロードできています。今でも新たなログの保存は、問題なく可能です。本当に一体なんだったのか…。

しかしこの件で、アクティビティログやコースなどとは別に長年の利用で蓄積されていくログがあるらしい(しかも初期化では消せない)ということが分かりました。買い替えを検討する必要がありそうです。

とにかく暑い

区間距離が短すぎてトラブルの他に書くことが無いのですが、とにかく暑い。日焼け止めなんぞ持ってきていなかったのですが、夜間用に携行していた夏長袖のAJジャージを着てしのぎます。

メドレアック通過

ケディヤックの5km手前ほど手前に通過するメドレアックという街があります。街中は比較的平坦かつ直線で走りやすいため、中心部に位置する教会の写真を走りながらでも撮影しやすく、色々な動画やブログに登場することで有名だそう。

はい、アルバムを見返すと私も撮影していました。

そしてメドレアックから5kmも走るとケディヤックに到着です。しかしこの25kmで補給ポイントがあるという配置はどんな意図があるんでしょうかね?まぁ立ち寄りは自由ですから、スルーすれば良いだけなのですが。到着時刻は15:15くらい。

私はこの施設がどんなものか見たかったので、立ち寄って食事とコーラ、水を補給。とにかく水だけはいくらあっても良い。道中での私設エイドはランダムに出現しますが、(当然ながら)コンビニなどは一切無いので、水の心配だけはしたくない。

手短かに滞在してリスタート。

■PC4:LOUDEAC(435km)まで

次は57km先のルデアックを目指します。ケディヤックの存在意義が分からないと書きましたが、細かく距離を刻まれた方がやる気が出ますね。ようやくドロップバッグのあるポイントにたどり着けます。到着時刻の計画は20:30ですが、前倒しで到着できるでしょう。

とにかく暑い

引き続き暑いです。道も単調だし、感想はこれしかない。しかもこの区間はなだらかな丘陵地帯で、1~2%の登り基調がダラダラと続き、あまり速度が乗らない。

周囲も非常にキツそうで、明らかにテンションが低い。

しかし、暑い…とは言うものの、フランスは湿度が低いため埼玉を含む北関東の凶悪な気候ほどではない。あの気温40度、湿度80%の中で走っていたことを考えると、ぶっちゃけかなり快適です。『フランスは気温も湿度も低いんでしょ?』と言って7月のセンテニアル400もスルーしたのですが、知らない内に暑熱順化も進んでいたようで意外と耐えられる。

とはいえ、調子に乗って脚を使うには厳しいコースだし、水も足りなくなるといけないので淡々とペダルを回す。すると徐々に私の後ろにつく人が増えていったのですが…この辺りの思い出は以下のツイートに書きました。良かったら読んでみてください。

上記のエイドで水を貰ったのは17時。砂漠のオアシスで水分補給をして、再び走り出します。しかしこの暑さ、日本を含むアジア勢には『寒いよりはるかにマシ』という気候でしたが、ヨーロッパの人には本当に厳しいと思うのですが。

ルデアックに到着

そして18:30、ようやく435km地点のルデアックに到着。計画より2時間、クローズタイムより6時間半の余裕を持っての到着。上出来です。全体の約1/3となる地点であり、各国がドロップバッグを置く一大拠点。まずはここに到着することが1つの目標になっていたので、無事に到着出来て素直に嬉しいですね。

さて時間に余裕はあるのですが、ここではこなすべきタスクが多数あります。敷地も大きいですしのんびりしているとあっという間に貯金が溶けます。私がリストアップしていたタスクは以下の通り。いずれも、47km先のサンニコラで本格的な休憩をすることが前提です。

  • 初のシャワーを浴びてみる
  • ドロップバックを利用した荷物の入れ替え
  • 補給

メインはドロップバッグを使った荷物の入れ替えです。サンニコラでもシャワーを浴びたのですが、何故ルデアックでもシャワーを浴びたのかは謎。とにかく股を清潔に保ちたかったのでしょう。

シャワーを浴びる

まずはシャワー。建物入口にある受付で4ユーロほど支払って、水をあまり吸わないタオルを受け取ります。受付横に荷物置き場のようなスペースと、受付のすぐ裏にあるシャワールーム手前に脱衣所があります。

たまたま出てきた日本の方に、シューズをどこで脱ぐのか尋ねましたが、自由とのこと(笑)

受付横のスペースで靴を脱いでも構わないのですが、さすがにウェアを受付横で脱ぐわけにはいきません(受付は男女共用なので)。結局、ウェア類は脱衣所に行って脱ぐことになる(脱いだウェア類は適当にベンチに置く)ので、シューズもここで脱いだ方が良いでしょう。

続いて隣接するシャワールームへ。ルデアックでは液体ソープが用意されており、中身も入っていました(復路でも利用したが、その時は中身の補充が追い付かず空だった)。これで体を適当に洗い、水をあまり吸わないタオルで適当に拭いて、さっきまで着ていたウェアを着用。

ここで綺麗なウェアを着たい人は、ドロップバッグを活用して先に着替えを入手しておけば新しいウェアを着用することが可能。事前に仮眠所も申し込んでおけば(仮眠所は一旦費用を払って自分の場所を確保すれば、起床時間まで後は出入り自由)、綺麗なウェアで寝ることも(スウェットなんかを用意しておけばそれを着て寝ることも可能)出来ます。

というのを、実際にそのようにしていたyoshiさんからシャワー室で聞いて、なるほどと思いました。特に仮眠専用ウェアを別途用意しておくことは、ドロップバッグを活用出来るルデアックならではの方法です。
※グッディースポーツ以外の海外ドロップバッグサービス業者を使えば、ルデアック以外のPCにもドロップバッグを設置してくれますので、別のPCでも同様のことが可能と思われます

荷物の入れ替え

綺麗になったらドロップバッグへ。モバイルバッテリーを交換し、カロリーメイトを補給します。当初はここで秋用ウェア(カステリのGOREを使った長袖ジャケット)にチェンジする予定でしたが、全く必要ありません。こんなに暑くなるとは想定しておらず、夏用ウェアは着用している分も含めて2着。

400kmごとに着替えるのが理想でしたが、諦めて現在着用しているウェアのまま800km走ることにします。着用しているビブショーツがカステリの『PREMIO BLACK』という一番高性能なものだったので、性能的な観点からこれを800km使い続けることにします。

荷物の入れ替えはこの程度。色々と悪い方を想定して準備していましたが、上手くPCの施設を使えているので楽でした。

最後にサンニコラまでの補給食としてバナナを買い、リスタート。なんだかんだで60分ほど滞在したでしょうか。このPCはそもそも大きいこと、お祭り状態でライダー以外の人も大勢おり移動が面倒なことからどうしても時間がかかります。

次は47km先、482km地点の補給ポイントであるサンニコラを目指します。ここで貯金を活用して5時間ほど滞在し、3時間ほど仮眠を取る計画です。

その8へ続きます。

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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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