雨ブルべの後、MAVICのフリーボディメンテを怠ったら大変なことになった件
今回はMAVICのホイールで雨ブルべを走った後、面倒なのでフリーボディのグリスアップをせずに2週間放置したところ、中が錆びてしまい部品交換が必要になった…という内容です。
全く自慢にも何もなりませんし、『高い勉強代でしたね』という内容ですが、自分への戒めのため記事にします。
■38時間のうち1/3が雨だった鬼怒川600
事の発端は、2024/6/1~6/2にかけて走った『鬼怒川600』。日本の南には前線が滞留しており、金曜日時点での予報は土曜夜~日曜全てが雨。600kmブルべの制限時間は40時間。私は37時間を目安に走るようにしており、20時間程度が雨。『普通はDNSするよね』という予報でした。
しかし私はこのブルべが今期初ブルべ(Fleche以外で)だったため、これを走っておかないとSR取得がスケジュール的に厳しくなってしまいます。また鬼怒川600はこれまで3回走って3回認定を取得しており、コースが頭に入っていて完走のハードルが低いこと、景色も良くて好きなので、走ることにしました。
まぁ、走っている時は雨でも良いのですよ。
一番の問題は走った後のメンテ。チェーンやチェーンリング、スプロケは一晩で錆が出ますので、理想は帰宅直後、遅くても翌日の朝から一ンテをする必要があります。
しかし600kmを走った後の帰宅は深夜になりますから帰宅直後にメンテをするなんて無理ですし、翌朝にメンテするにしても本当にダルいです。そもそも月曜日は仕事です。
実際の天候は予報が改善しまして、まともに降られたのは土曜夜~日曜早朝、日曜昼。夕方以降は小雨が降ったり止んだりという空模様で、思ったよりも降られずに済みました。
一度雨の中を走ってしまったら、2~3時間だろうが20時間だろうが、各部のメンテが必要になるのは変わらないので手間は同じなのですが。
ともかく、PBPの前に走ったBRM325アタック老越路400(走行時間である24時間の全てが雨だったブルべ)以来のハードさでした。
※ちなみに今回のホイールのメンテ状況ですが、直近では上記のアタック老越路の後(2023/04)とPBPの後(2023/08)にショップでグリスアップを行っています。その後は今回の鬼怒川600までの走行距離は約1700kmで、雨中走行はありません。
作業をショップに依頼したこと、その際にフリーボディの状態に関するフィードバックを貰わなかった(特に何も言われなかった)ことも、感度を鈍らせる要因でしたね。特にアタック老越路の後は錆びていてもおかしくなかったのですが、この時の雨は小雨だったこと、完走後の日曜日にちゃんと持ち込んでいたので問題が無かったのだと思われます。PBPの前はメンテしていたのですが、完走したら関心が低下してしまったみたいです。
■そして2週間後…
『台風か?』という雨に遭遇したものの、鬼怒川600は無事に完走。自宅への帰宅途中でスーパー銭湯に立ち寄ったりしたので、日付を越えて月曜の1時頃に帰宅。
月曜日は有休にしていたので、頑張って翌朝から一通りのメンテ(後始末)は行いました。ただホイールのハブに関しては面倒なのでスルーしてしまいました。汚れたスプロケを触るのが面倒だったし、MAVICのハブは水に弱いことで有名ですが、まぁ来週やれば良かろうと…。
そして次の週末。色々予定があって忙しかったので、『まだ大丈夫だろう』とポジティブ思考で放置(笑)
更に次の週末。さすがに2週間以上放置するのはまずいのでは?と思い、とりあえずフリーボディを開けて中身だけ確認することに(この時点でもメンテをするつもりは無かった)。
■衝撃の事実
フリーボディを開けて『よし、(メンテしなくて)大丈夫』という確認を行うだけのつもりだったのですが。開ける直前までは、こんな呑気な発言をしています。
もはや手遅れの状態でした。
ショップは自宅から車で5分の場所にあります。荷物をまとめて15分後にはショップに到着。
ショップのSさんと一緒に改めて状態を確認して、対応を相談します。結論としては、
- 清掃することは可能
- 清掃しても錆は全て落とせない(当然ですね)
- よってパーツ全交換が妥当
ということになりました。
ここまで被害が拡大してしまった以上、元の性能を取り戻すには『交換可能なパーツは全て交換する』しか無いという結論に達しました(ラチェットが完全に茶色なので見れば分かりますね)。
パーツ全交換がどの程度の費用感なのか分かりませんでしたが、とにかく多少磨いてどうにかなるレベルではないことは分かっているので、金額を見ずに『全交換で…』とドキドキしながらオーダー。
幸いシャフトには被害が及んでいなかったため、以下のパーツの交換で済みました、それでも3万円かかったのですが…。ついでにベアリングシールも新型に交換しました。
- フリーボディ:約11,000円
- ラチェット一式:約11,000円
- シール V2:5,500円
- 工賃:パーツ交換後のグリスアップ:2,700円
また今後も雨ブルべは走りますから、専用グリス(1.5g)も何個か購入しておきました。
DTswissのホイール(ERC1400)もフリーボディは同じ構造なので、これを使っていた時は専用グリスを買っていたのですがね…。記事を書いていたくらいなのですが、何故ここまで堕落してしまったのか。
■無事に復活
その翌週。数日で無事にパーツが届き、ショップで作業していただきました。土曜日の開店直後に早速引き取りにいきます。翌週はブルべなので、このタイミングで引き取っておかないと強制的にDNSになってしまいます。
会いたかったよ!SLR32ちゃん!
無事に引き取って帰宅後。フリーボディを開けてみると新品の輝きが美しい。
1週間前はこれ…。
中もばっちりです。
錆びたフリーボディを引き取ってきましたが、改めて見るとこれはもうダメですね。全交換以外ありえません。持ち主がズボラなばかりに…すまない…。
スプロケも装着して、無事に元通り。
一連の出来事をツイートすると沢山リプライをいただいたのですが、やはりMAVICは『水の中を走ったら即メンテが必須』とのこと。どんなに面倒でも、2週間も放置するのはありえないということですな。
MAVICのID360は水に弱い構造である代わりにメンテが容易なのは理解していましたが、そのリミットが1日程度であることは想定外でした。こっちは週末にしかメンテできないんだよ!
MAVIC(や同系統の構造であるDTswissやROVAL、CADEX)を使う皆さんも、どうかお気を付けを…。
ちなみにMAVICの公式動画によると、1000km走るごとにフリーボディを開けて中を確認するように、とのことです。頑張ります。ホイールってそういうものです。でも、やっぱりブルべにはカップ&コーンの某メーカーのハブが良いのですかね。
MAVICの専用グリスはこちら。1回で使い切れる絶妙な量(1.5g)が入っています。とりあえず2つほど買いましたよ…。