ロードバイク・ブルベにおける『股』のダメージ…おできの話
先週、先々週と珍しく2週連続でブルベを走ったら、見事に股におできが出来てしまいました。同じ悩みを抱える方向けに、体験と対処法をまとめます。
■股のダメージとは
ブルベで数百キロも走ると、その間ひたすらサドルやレーパンとの摩擦が起きています。これが皮膚に良いはずがありません。しかも汗をかいて蒸れ蒸れですので、細菌も繁殖しますし皮膚も柔らかくなります。おできが出来るのはいつも同じ場所、という人も多いみたいです(私もそうです)。乗り方のクセで荷重がかかる場所が決まっているからでしょう。
私の場合は、細菌に負けておできが出来てしまうという症状なのですが、その他にも擦れてヒリヒリするなどのトラブルがあります。まずはトラブルの内容を整理してみます。
おでき・腫れ物
いわゆる毛嚢炎というやつです。これは普段は大人しくしている皮膚の常在菌が毛穴に入ってしまい、ブルベやロードバイクのロングライドなどで抵抗力が落ちると炎症を起こしておでき(腫れ物)となってしまうもの。常在菌というのは、ブドウ球菌のことらしいです。食中毒を引き起こす菌と同じですね。ホントにブルベは健康に悪いです(笑)
放置しておいて自然治癒するかどうかは経験上は炎症の程度によります。なので早く治したい場合はすぐに皮膚科に行くのがお勧めです。だましだましロードバイクに乗っている間は、治らないか長期化すると思っていた方が良いです。おできが出来る場所が場所なので、患部を見せるのが最大のハードルなのですが、医者はそんな事は気にしませんので堂々と見せましょう。炎症の程度によって飲み薬だったり塗り薬が処方されます。
擦りむけ
股の皮膚が摩擦によってダメージを受ける症状全般です。皮膚の頑強さは人によって結構な個人差がありますので、弱い人はお悩みだと思います。表皮が剥けてしまうまでいかなくとも、ヒリヒリするというのは経験があるはず。細菌が毛穴に入って悪さをするのも、皮膚が摩擦でダメ―ジを受けているから…というのは少なからずあると思います。
低トルクでくるくるペダリングするようなケイデンスが高い人、内股をサドルにこするようにペダリングする人などが被害に遭いやすいですね。私もケイデンスが高い派なので、いつも脚の付け根部分がヒリヒリします。結構つらい。
痺れる
長時間サドルに圧迫されることで、血流が阻害されて痺れや痛みが出る症状。おしりの痛みと同じですね。股が痛むよりは、お尻が痛む人の方が多いかも知れません。痺れに関しては、以前別の記事でも書いています。
■私の股トラブルの歴史
おできが初めて出来たのは、15年くらい前です。その当時は子供も小さかったので、週末には当時参加していたチームの練習に行っていました。雨の日以外は全て参加の皆勤賞です。月に8回の土日があると仮定すると年間では8×12ヶ月で96回になりますが、当時は本当にそれ位自転車に乗っていました。他にすることが無かったんですね、アホですね。
ところがある日、股におできが出来てしまいます。当時はブルベなど走っていなかったですから、原因は何だったのかよく覚えていません。さっさと病院に行けば良かったのですが、当時は『おでき程度で病院に行く』という発想が無く『自然治癒で治るだろ』と思っていました。無知とは恐ろしい。
2週間位、自転車に乗らずに大人しく療養していると、おできは完治せずともかなり小さくなってきます。そうすると『もう乗っても大丈夫だろう』と我慢出来ずにロードに乗るのですが、残念ながら乗るとぶり返してきます。それを何度か繰り返し、『これは完治するまでロードを止めるしかない』と決断。それまで毎週土日は必ず走っていたところを、半年間ロードに乗らない生活をしました(ここで病院に行っておけば…)。
そうするとおできは完治したのですけれども、暇つぶしに始めたMMORPGにはまってしまい、その後も1年程度ロードに乗らない時期が続いてしまいました…。
股のおできに関しては、このような苦い思い出があるのです。おできを馬鹿にしてはいけません。
■股のダメージ対策
ということで、トラブルが発生してしまったらさっさと病院に行くのが一番なのです。しかしそれ以前に、予防してトラブルにならない事に越したことはありません。代表的な予防措置をまとめてみます。
清潔にする
炎症を起こすのは細菌の仕業です。ということは、皮膚を常に清潔にすればかなり防げるということになります。ブルベでは除菌ウェットティッシュを持ち歩き、PCごとに股を拭いている人がいます。これはかなり有効だと思います。デメリットはウェットティッシュを持ち歩く必要があること、PCのたびにトイレに入って拭くと時間がかかってしまう点。PCではないコンビニで実施すると順番待ちが無くて良いかも知れません。
それが面倒で無いのであれば、実施するとかなり防げると思います。私もここまではやったことが無いのですが、これからは実践してみようと思っています。
また2020年以降はコロナにより、至る場所に消毒用のアルコールが配置されています。これらを股に塗るだけでも効果があります。除菌ウェットティッシュや携帯用のアルコールジェルも当たり前になりましたので、股の殺菌に転用するのも容易になりました。
クリームを塗る
代表的な対策。ロードバイクのレーパンのパッドに塗るクリームというのがいくつか出ていますので、それをパッドに塗ります。一番有名なのは、このアソスのシャーミークリーム。パッドとの摩擦を減らして、抗菌作用もあります。600kmを走る時はレーパンを洗濯したりするので、塗りなおすため小分けして持参します。
他にもモーガンブルーや、ラファからも出ていますね。
プロジェクトJ1という股ずれ保護に特化したクリームもあります。こちらは抗菌効果は無いのですが、皮膚を保護する膜を形成して摩擦から守ってくれます。
ベビーパウダーをつける
ベビーパウダー(シッカロール)を塗るというのも有効です。昔からあせも対策に非常に有効でしたので、定番中の定番です。ドラッグストアならどこでも売っており入手性が良くて、安価というのが有難いところ。日常使いも出来ますし。ベビーパウダーに使われている成分は、湿度を調整して摩擦を低減し、皮膚の表面をサラサラに保つ効果があります。股が擦れてしまうタイプの人には効果的だと思います。
サドル・レーパンにこだわる
基本的な事ですが、股にダメージの少ないサドル・レーパンを選ぶのも重要です。ノーズの細いサドルや、パッドの股が当たる部分に縫い目のない製品を使うなど。
■必ず対策をしましょう
今回、久々におできが出来てしまったのはブルベを連戦したというのもありますが、特に対策をしていなかった事もあると思っています。今まではアソスのシャモワクリームを塗っていたのですが、ちょうど無くなってしまったタイミングでした。
しばらく股のトラブルが無かったので、過信した私は『最近はちゃんと乗れているし、股も鍛えられただろう…クリームなくても大丈夫なのでは?』とものぐさぶりを発揮。ちょっと実験のつもりでクリームを塗らなかったら見事におできが出来ました…。
とりあえずプロジェクトJ1を買ったので、しばらくはこれを使ってみようと思っています。