ディスクブレーキ

ローターを守る。ディスクロードならではの輪行方法について

morou2

ディスクロードの輪行方法について、いくつか方法がありますのでまとめて紹介します。どの方法にもメリット・デメリットがありますので、好みの方法をマスターいただければと思います。

そもそも

『油圧ディスクロードで輪行って出来るの?』
『輪行したらブレーキが効かなくなっちゃうんでしょ??』

という方は、まずはこちらのエントリから読んでみましょう。

https://morou2.com/2018/04/28/synapse6/

■方法は大きく分けて2つ

そもそも従来のリムブレーキでも、輪行の方法と言えば細かな点の違いで『人の数だけ方法がある』位のものでした。使用する輪行袋や使う自転車によって方法が違ってくるのですから当然です。ここでは、最も一般的と思われるオーストリッチの輪行袋(縦型)を使用する方向けに話を進めます。

自転車がリムブレーキにから油圧ディスクブレーキになったからと言っても、使用する輪行袋が同じなので方法が大きく変わる訳ではありません。しかし細かな点が異なってきますので、そこだけ慣れる必要があります。

異なる点というのは、

  1. 外したリアのスルーアクスルの扱い
  2. ホイールに付いているディスクローターからフレームをどう守るか
  3. キャリパーにスペーサーが必要

大きくはこの3点です。

この辺をどうするのか?によって、ディスクロードの輪行方法としては『従来の方法』と『スルーアクスルを活用する方法』の大きく2つがあります。

■従来と同じ縦型輪行袋用の方法

まずは従来と同様の方法から紹介します。見やすくするために、輪行袋そのものは使用しません。従来の方法については、こちらの記事でかなり詳しく紹介していますので、ここでは6割程度の説明に抑えます。既にやり方が分かる、という方はこのセクションは読み飛ばして下さい。

https://morou2.com/2018/04/28/synapse6/

ホイールを外す

まずはホイールを外します。前後のスルーアクスルを外します。

細かい準備

キャリパーにスペーサーを挟みます。自転車をひっくり返す前に、予めツールボトルから出しておくと便利です。

クランクの位置も調整しましょう。チェーンステーと水平くらい。

フロントのスルーアクスルは、リムブレーキと異なりフォークに固定しておけます。ここはディスクブレーキが便利な点ですね。

スプロケにカバーをかけます。最初はローターが曲がるのが嫌でローターを内側にしていましたが、そんなに簡単には曲がらないという事が分かり、今ではフレーム保護のために外側にしています。その代わりスプロケが内側に来るので、カバーが必要。ローターは2つありますがスプロケは1つなので、カバーも1つで済むため。

スタンド装着

オーストリッチの片持ちスタンド(エンドスタンド)を付けます。これで意外と問題無くいけます。ここにリアのスルーアクスルを使えるタイプで小さいスタンドをどこかが開発してくれたら良いのですが…。タイオガからは既にスルーアクスルを使えるタイプのエンドホルダーが出ているのですが、ちょっと大きいので使える状況が限られるのです。

【ディスクブレーキ】ディスクロード輪行 タイオガのスルーアクスル対応リアエンド金具を使ってみる

フレームの両側にホイールを設置

両側にホイールを並べて、バンドで固定します。ここも個人によって細かなやり方が色々あると思いますが、要は今までと同じなので、経験が生かせると思います。

忘れてはいけないのが、リアのスルーアクスル。リアのホイールに通しておきます。別に必ずしもここに通す必要はありません。輪行準備した駅などに置き忘れてこなければ、サドルバッグの中でも輪行袋の中でもどこでも良いです!

後はショルダーストラップを付けたら完了ですね。これも従来と同じなので、ディスクロードとは関係の無い部分です。

■ディスクロードならではの方法

次に、同じ縦型輪行袋を使用しながらもディスクロードならではというスルーアクスルを活用した輪行方法を紹介します。こちらはTREK専門店の『LORO Bicycles』さんで紹介されていた方法です。非常に良いと思いましたので、改めて紹介させていただきます。

途中までは一緒です。

まず前後ホイールを外して、キャリパーにスペーサーを挟んだりするところまでは一緒です。フレームをひっくり返してスタンドを付け、フロントのスルーアクスルをフォークに固定したら、次はフロントホイールとリアのスルーアクスルを用意します。

そしてリアのスルーアクスルをフロントホイールのハブに通します。通したら、抜けない様にマルトのゴムでこの様にスポークと固定します。マルトのゴムは残り2本でもフレームを固定できるので、ここで1本を使ってしまいます。

スルーアクスルのハンドル部分とスポークを固定するのが少々面倒くさいです。ローターに触ってはいけないので、それが難易度を上げます。

フロントホイールにリアのスルーアクスルを通すので、この様にはみ出ます。

次はこのはみ出した部分にリアホイールを連結します。ローターを保護するために、ローターはこの様に内側にすると良いでしょう(ちなみにローターはちょっとぶつかった程度では曲がりません)。

連結したホイールをフレームの横に設置して、残りの2本のゴムでフレームとフロントホイールを固定します。

これで9割の工程は終わり。ショルダーストラップを装着すれば完了です。前後のホイールが連結されているので、結構な安定感です。

■それぞれの方法での違いは?

この様に見るとそれぞれにメリット・デメリットがあることが分かりますので、比較してみます。まず最も異なるのがパッキング状態での幅です。従来の方法はフレームの両側にホイールを収めますので、スリムです。ホイールを連結する方法は、ホイールを横に並べる分だけ幅を取ります。そこで両者の幅を計測してみました。

従来の方法

サムネイルだと縮小されて目盛りが見づらいですが…30cm未満に収まっており、約27cmと言ったところです。

スルーアクスル連結方法

こちらはかなり幅が広いので、壁に寄せて計測します。見づらいので角度を変えて2枚。40cmを超えており、約43cmといったところ。

約16cmもの違いがありました。16cmは結構な差ですね。新幹線などに乗る時に、シートの後ろの『輪行ポジション』に綺麗に収まらない場合もあるでしょう。また通常幅の自動改札を通過する時も、通過出来るのか不安です。どちらのシチュエーションも、従来の方法でも結構ギリギリなので…。

■それぞれのメリット・デメリット

ということで、メリット・デメリットをまとめてみます。

まずは従来の方法。

[box02 title=”メリット”]・パッキング後の状態がスリムなので持ちやすい、電車内で邪魔にならない
・新たな方法を覚えなくて済む[/box02]

[box01 title=”デメリット”]・リアのスルーアクスルを忘れがち
・ローターが外側に来るので歪んでしまう可能性アリ[/box01]

次はスルーアクスルを連結する方法。

[box02 title=”メリット”]・ホイールを連結するので、パッキング状態の安定感がある
・ローターを保護することが可能[/box02]

[box01 title=”デメリット”]・パッキング状態の幅が広くなり、置き場に困る
・幅広なので、持ちづらい。自動改札を通る時に通りづらい。[/box01]

大きな点はこんなところでしょうか。どちらも一長一短で、後は好みの問題だと思います。両方練習してみて、自分に合う方法を探してみて下さい。1つ言える事は、油圧のディスクロードになったからと言って輪行が出来ない・やり辛いという事は一切なく、対応製品が色々あるお陰で普通に輪行出来るという事です。購入1年間で飛行機輪行も含めて毎月の様に輪行している私が言うのですから間違いありません。

ただし輪行する度に傷は増えていきますので、フレームの保護だけは細心の注意を…(笑)
(これはリムブレーキでも同じですが)

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  1. とっしぃ〜

    輪行袋(SL100)での飛行機輪行ですが、従来方式とLORO方式のどちらがbetterだと思われますか?
    輪行(特に飛行機)用にアルミロードを購入検討中です。

  2. morou2

    とっしぃ~さん
    飛行機輪行なら、LORO方式の方が良い気がします。ただし試したことはありません。次回飛行機輪行するなら、ということです。
    ただどちらも傷がつく場合は、傷が付いてしまうと思います。
    国内でも手荒く扱われる場合がありますし、海外なら数mの高さから放り投げられたりしますからね。

ABOUT ME
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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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