ディスクブレーキ

【ディスクブレーキ】油圧ディスクロードでの輪行のやり方

油圧のディスクブレーキを使用したディスクロードにおける、輪行のやり方です。

油圧ディスクブレーキのロードの話題になると、油圧ディスクのメリットよりもネガティブ面の話になることが多いです。以前も記事にしましたが、そもそも正直なところですね、私は必要な方以外はディスクブレーキは不要と言う立場です。ブルベやロングライドもしくは下りに不安がある、手が小さくてブレーキが大変…という方以外にはディスクブレーキはそこまで必要では無いと思います。『私はディスクブレーキ使わないぜ!』というのは自由ですけども、間違った思い込みや単なる不勉強の無知ゆえから敬遠してしまうのも、また勿体ないと思っています。

■油圧ディスクブレーキのネガティブ面

ディスクブレーキに対するネガティブ面の内容としては…

『効きすぎて怖い』
『輪行時にパッドが戻らなくなって、走行不能になるんでしょ?』
『自転車を縦にするとエアが噛んでブレーキが効かなくなる』

などなど。

話を聞いていると、ご自身で良く調べて油圧ディスクブレーキのメリット・デメリットを比較検討した結果、『私には不要なのだ』という意見をお持ちの方はまだ少ないです。そんな事を言い出したら、リムブレーキにだってネガティブ面は沢山ある訳です。じゃないとMTBがほぼディスクブレーキに移行してしまったことの説明がつきません。そもそも興味が無いのですから、調べないのも当然ですよね。

ネガティブ面が先行してしまうのは、要するに『油圧ディスクのことをよく知らない・調べてもいないので、良いのか悪いのかそもそも判断出来ない』というだけの話です。ということで油圧ディスクに対する理解を深めてもらうべく、まずは輪行のやり方から紹介します。

■輪行時のネガティブ面は?

輪行時に油圧ディスクブレーキが従来と異なり、不安視される点は下記の3点に集約されます。

  1. ホイールを外した状態でブレーキレバーを握るとパッドが締まり、戻らなくなる。
  2. 従来の130mm用エンド金具が使えない。ディスクロードのエンド幅も色々ある。
  3. 逆さまにすると油圧のホース内にエアが混入して、ブレーキが効かなくなるのでは?

1、パッドが戻らなくなる問題

まず1ですが、ホイールを外したらすぐにパッドスペーサーを挟めば問題ありません。

スペーサー

確かにスペーサーを挟む前にレバーを握ってしまうとパッドが戻らなくなります。ですが私は既に何度も輪行していますが、パッドを挟む前の、その30秒かそこらの時間で間違ってレバーを握ってしまう…なんてことは通常は起こりえません。

輪行準備中に、わざわざブレーキレバーを握る動作なんてしませんよね。ホイールを外したら、すぐにスペーサーを挟むクセが既についているので(恐らく無意識の内に、このトラブルの発生を恐れてのことでしょう)、問題になりそうな気配もありません。

スペーサーはそれぞれのキャリパーに適合するものが用意されており、パチっとはまるので脱落することもありません。ちなみにアルテグラR8000の『BR-R8070』に適合するスペーサーは下記になります。仮に忘れてしまったとしたら、段ボールを適当な大きさに千切って、挟んでおけばOKです。もし本当にレバーを握ってしまいパッドが戻らなくなってしまったら、宿泊するホテルとか駅とかコンビニとか、とにかくどこかでマイナスドライバーを借りて(ホームセンターとかがあれば買うのもOK)こじって戻すことが可能です。

このシマノ純正のスペーサーはAmazonでは品薄です。ヤフーショッピングなどにはあるのですが、120円の商品に送料が700円とかかかってしまいます。現在はオーストリッチからも下記の様なスペーサーがリリースされており、なかなかの使い心地です。最近はこっちをツールボトルに入れています。商品名は『ダミーローター』。

ダミーローター
【ディスクロード】オーストリッチ ダミーローター(パッドスペーサー)を試してみた■パッドスペーサー ディスクロードでメンテをする際の話。ホイールを外した後は間違ってブレーキをかけた時にパッドが出てしまうのを防ぐため...

2、従来のエンド金具が使えない問題

長らくロードバイクのリアエンド幅は130mmでしたので、皆さんこういったエンド金具を使用しているはずです。

エンド金具

ところがディスクロードになるとエンドの幅が広がり、135mmや142mmのエンド幅が存在します。複数のエンド幅が存在している事に関しては、シマノが142mmのスルーアクスルを出してきたので142mmの幅がディファクトスタンダードになりました。エンドの幅が広がると今までのエンド金具が使えません。ですがオーストリッチからは以下のような製品が出ていますので、問題無くエンドに装着して輪行出来ます。

エンドスタンド

商品はこんな感じ。スタンドと、クイック、各種スペーサーがついています。

スタンド

スルーアクスル対応のフレーム側には、こんな穴が開いていますので、

フレーム画像

このようにセットしてクイックを締めるだけです。

スタント装着後1 スタンド装着後2

スタンドは1本足なので従来と比較すると頼りないですが、全く問題無し。従来のは何だったんだ、という話になってしまいますね…。

■2018/08/04追記
従来のエンド金具タイプでスルーアクスルに対応するタイオガの商品を買ってみました。これも良い感じです。

リアエンド
【再掲】【ディスクブレーキ】ディスクロード輪行 タイオガのスルーアクスル対応リアエンド金具を使ってみるディスクブレーキの輪行記事が人気なので、あげておきます。 皆様いかがお過ごしでしょうか。 油圧ディスクになったら『輪行が大変...

3、縦や逆さにするとエアを噛むのでは?問題

これについても、全くの杞憂ですとしか言いようがありません。組付けの時にエア抜きがしっかり行われていれば(しっかり行われているのが当然なのですが)、逆さにしようが縦にしようがエアを噛みようがないです。そもそもブレーキラインにエアが入っていないのですから。私も輪行の時はひっくり返したり縦にしたり色々していますが、全く問題ありません。

ちなみに『SBC 港北センター店』さんのブログで、ディスクロードを1日半ひっくり返したまま放置した実験結果が載っています。結果は何の問題も無かったそうです。記載されているシマノからの返答というのも、非常に参考になりますね(※2018/11/16追記:2017/07/13の記事なのですが、記事が消えていました。キャッシュは残っています)。

※ただし、シマノのユーザーマニュアルには『倒立に対応出来る設計ではありません』と明記されています。

ちなみに多少オイルラインに残っているエアがオイルタンク(ブラケットの内部にあります)からキャリパーに移動してしまう事があります。そうするとブレーキレバーがスカスカになってしまうのですが、連続でブレーキレバーをニギニギすると(20~30回程度)キャリパーからタンクにエアが戻って、元のフィールになります。

■実際の輪行手順を紹介

ということで、実際に輪行してみます(自宅で)。まずは前後ホイールのスルーアクスルを抜きます。

ツールボトルの中から、キャリパーに挟むスペーサーを出しておきます。前後のホイールを外したら、フレームをひっくり返します。ホイールを外す時は、リアから外した方が良いです。先にフロントを外すとフォークのエンドに傷が付きます。

ひっくり返した後のクランクはこの位置(チェーンステーと水平くらい)になるように予め調整しておきます。

キャリパーにスペーサーを挟みます。ちなみに何度かスペーサーを挟むのを忘れたまま輪行した事がありますが、特に問題はありませんでした(笑) レバーを握らなければ大丈夫なので、保険みたいなものですね。

この段階でスプロケにスプロケカバーを装着しておきます。

次にエンドにオーストリッチのスタンドを装着しますが、コツがあります。通常はこの様に地面と垂直になるように装着しますが、最初からこの角度になる様にクイックを締めると固定力が弱くてスタンドがずれてしまうのです。

これを防ぐには、まずはこの角度で普通に固定します。ここから手で押して『最後の一押し』を加えて、通常の角度になるようにします。これだけでより強く固定され、少々の事では角度がずれなくなります。

ここで、忘れずにフロントのスルーアクスルをフォークに固定しておきます。ここまで、『ディスクロードならでは』という作業はいくつかありましたが、『ディスクロードの輪行は面倒過ぎる。俺はこれからもリムブレーキで十分だ。』という程のものでも無いという事は理解いただけたかと思います。

既にこの時点で自立可能です。

次はホイールとフレームを固定します。まずは前輪を固定。ハンドルエンドがスポークの間に入る様に置きます。これも従来と一緒の手順。私のハンドル幅は400mm・ホイールもディープリムなのでこの位置ですが、ハンドルが幅広だったりローハイトのホイールならホイールがもっとBB側に寄ってくると思います。そうするとハブがフレームの三角部分に収まってくるので、フレームが傷付きにくくなります。

続いてリアホイールも置きます。

ホイールを設置したら、ホイールとフレームを固定します。私が使っているのは、先ほどと同じくマルトの輪行用ゴムバンド。オーストリッチデフォルトのバンドよりも固定力があり、かつ扱いやすいので輪行時間の短縮に貢献します。

バンドで固定する位置は、この3か所。

チェーンステーと固定しているだけあってもの凄い安定感なのですが、チェーンの間に手を通すので手が汚れがちです。ゴムもかなり頑張って伸ばすので、作業性は良くない。

そこまでの安定感は不要という方は、この3か所でも大丈夫と思います。この辺はディスクロードとは何の関係もなく、従来の輪行でも同様でしたが…。

ここらで、忘れずにリアのスルーアクスルをリアホイールに通しておきます。これを輪行準備した駅に忘れてくると大変な事になります(笑) スプロケカバーを付けているせいで、アクスルが飛び出してしまっていてあまりスマートとは言えません。ですが他に収納場所も無いのでここに挿しています。別にこの位置でなくとも、とにかく忘れずに一緒に運搬すれば良い訳なので、どこにしまっても構いません。ちなみに先程のタイオガのリアエンドホルダーを使えばエンドの固定にスルーアクスルを使えますので、その点ではスマートに輪行可能です。

ここまで出来たらショルダーストラップを装着して、準備完了です。ちなみに私は、オーストリッチの袋に空いているショルダーストラップ用の穴は使わない派です。今回は撮影の為に輪行袋はありませんが、これでも普通に担げます。

『輪行袋の袋』も忘れずに輪行袋の中に放り込んでおきましょう。

ヘルメットはストラップを締めて、フォークにかけておきます。

いかがでしたでしょうか。特に『ディスクロードの輪行はトラブルの宝庫』みたいな事はどこにも無い事はお分かりいただけたと思います。また、スルーアクスルを活用してローターを保護する『ディスクロードならでは』の輪行方法もあります。こちらのエントリにまとめましたので、見てみて下さい。

ローターを守る。ディスクロードならではの輪行方法についてディスクロードの輪行方法について、いくつか方法がありますのでまとめて紹介します。どの方法にもメリット・デメリットがありますので、好みの方...

フレームの傷が気になる方は、こちらのテープを貼って予防おきましょう。意外とテープの方が傷ついて、定期的に貼り替えが必要になっています。

3Mの表面保護テープでお手軽傷防止 その22年くらい前にこんなエントリを書いたのですが、追記です。 このシートチューブの部分(特に泥がはねる裏側)にも保護テープを巻いていま...

より確実にフレームを保護したい場合は、やはりカバーを利用した方が良いですね。先程のマルトならローターにもスプロケにも両方使えます。自分の手元から離れない電車輪行なら安心ですけど、(国内の)飛行機輪行は他人が扱うことになるため(しかも扱いが荒い)、スプロケ用に素直にこのカバーを買いました。フレームにがっつり傷が付いてからでは遅いです!

ちなみに撮影時期が異なる写真ですが、この通り今までの輪行袋が問題無く使えます。

こうやって倒立させても、もちろんエアを噛んだりはしません。油圧ディスクブレーキのメカニズムを理解していないことに起因する誤解なのではないでしょうか。

ということで、今回は油圧ディスクロード輪行のやり方でした。2~3回やったらすぐに慣れて何も感じなくなります。何が問題になっているのか正直よく分かりませんが、『輪行そのものをやったことがない』時の不安と同じなのかな?と思います。輪行そのものは上記の通り今までとほぼ同様の手順で出来ますので、勝手にネガティブに捉えずにどんどんディスクロードに乗って欲しいと思います。

輪行袋は、この最軽量のSL-100がファイナルアンサーです。重量200g。生地が薄いと言いますが、どうしたら破けるのか分かりません。この生地を破く程使うのであればメーカーも本望でしょう…。

スプロケカバーを使うのが面倒くさい…という人向けには、このホイール用の中仕切が付いた『ロード220』がお勧めです。スプロケットとフレームが接触しないので、多少雑に扱っても傷つく心配がありません。重量320g。SL-100と120gの差です。

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