雑記

新型アルテを発注しているが、果たしてどれほど軽くなるのか?

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新型アルテグラ(R8170系)を8月の段階から予約しています。納期は現時点で未定となっており、年内には届くのか、はたまた来年になってしまうのか、全く分かりません。

届くまで暇なので、新型アルテグラになるとどれほど軽く(重く)なるのか?先日紹介したシミュレーションツールを使って妄想してみます。

デュラエースのシミュレーションはこちらの記事です。

■新型アルテグラ(R8170)の重量はどのくらい?

まずは基準となる新型アルテグラの構成と重量を確認しておきましょう。ブレーキシステムは油圧ディスクとリムブレーキの2つが選択可能ですが、リムブレーキ版はR8000系と変わっていません。そのためわざわざ新型にするユーザーは少ないと思われるので、油圧ディスクの構成で重量を算出します。

またその他の条件として、ローター径は前160、後140。クランクは50-34Tの170mm。スプロケットは11-30Tで統一します。

その構成の新型アルテグラの内容は以下の通り。一式で2,536gとなります。
※重量は、シマノのサイトに記載されている重量です

■一般的な構成の場合

それでは比較開始です。移行前の構成は、以下の4通りあります。ブラケットだけで4種類もあるのです。シマノが機械式をやめてしまったのも理解できなくもない…。

①R8070系アルテグラ(Di2変速+油圧ディスク)
②R8020系アルテグラ(機械式変速+油圧ディスク)
③R8050系アルテグラ(Di2変速+リムブレーキ)
④R8000系アルテグラ(機械式変速+リムブレーキ)

実際にはクランクだけデュラにしているなど、ミックスになっている人もいるかと思います。ここでは話を簡単にするためにグレードは統一されているものとして進めます。細かくシミュレーションしたい人は、ご自身でツールを使ってみてください。

①R8070系アルテグラ(Di2変速+油圧ディスク) の場合

まずは現在の構成がDi2で油圧ディスクという人の場合。私もこのパターンです。今さら機械式変速には戻れませんし、ブルベをやっているとリムブレーキにも戻れませんね…。比較対象としてはこの構成が『apple to apple』のため、進化の度合いを見るには一番参考になると思います。

以下の通り、この構成だと2,520gです。新アルテは2,536gなので、なんと旧構成の方が16g軽い。R8100系は、重量的には魅力がありませんという衝撃の結果。しかし12速化してスプロケットの枚数が1枚増えているのに、全体ではたったの16g増に抑えているのはすごいのではないでしょうか。

パーツごとの内訳をみていきますと、まずブラケットが旧:360gに対して新:391gと31gの増加になっています。有線ポートも残しつつ無線ユニットが増えたうえに、電池も増えて重くなってしまったのでしょう。スプロケットも旧:269gに対して新:291gと22gの増加。RDも旧:242gから新:262gに20g増えていますが、これは旧構成にあるジャンクションAとワイヤレスユニットがRDに内蔵されたためです。

この増加分をFD(-22g)とローター(-40g)で主に相殺しているという状況です。ローターは軽量化としては割の良い投資ですね。

実際には、今まではブラケットからダウンチューブを通ってBB内にあるジャンクションBまでケーブルで接続されており、ジャンクションBからリアセクションの各パーツ(バッテリー、FD、RD)にケーブルがそれぞれ伸びていました。

新型は無線化によりブラケットからのケーブルとジャンクションBが無くなるうえ、ケーブルも細くなり軽量化されます。エレクトリックワイヤーは1本5gくらいなので、これによって16gの重量差は無くなると考えて良いのではないでしょうか。

② R8020系アルテグラ(機械式変速+油圧ディスク) の場合

変速は機械式で、ブレーキのみ油圧ディスクという構成です。こちらも多い組み合わせなのではないかと思います。既に新車を買う時にリムブレーキを選択する人は少なくなっていますし(1台目の人は特に)、Di2は高いから変速は機械式でというパターンです。

こちらの構成の重量は、2,568g。 新アルテは2,536gなので新型にすると32g軽くなり、重量的なメリットは少しだけあります。

中身を見ていくと、ブラケットがすさまじく重いのが特徴です。Di2になるとここが一気に軽くなる(ST-R8170は391g)のですが、代わりにFDやRDが重くなったりバッテリーが増えるので、相殺されてしまった感じです。

私も新車で買ったシナプスはこの構成でしたが、ブラケットの重さと太さに耐えられずにDi2にしてしまいました。

油圧ディスクは使い続けたいという人は多いと思いますが、新型アルテグラは強制的にDi2となり価格もかなり上がります(セットで約25万)。12速化したくても費用面から断念する人も多くなりそうです。この組み合わせで12速化したい場合は、新105の登場を待つことになります。

③ R8050系アルテグラ(Di2変速+リムブレーキ) の場合

Di2は導入したけど、油圧ディスクは使いたくない、リムブレーキが良いという人の場合。以前の私の構成ですね。油圧ディスクが普及する前でもDi2を使っている人は結構いましたので、その流れでこの構成という人は割といそうです。

こちらの構成の重量は、2,292gです。新アルテは2,536gなので旧構成の方が244g軽いです。分かっていたことですが重量だけ見ると話しになりません。 油圧ディスクにすると1枚100gあるローターが2枚も増えますからね。

この構成の特徴は、ブラケットの構造がシンプルなので非常に軽いこと。この扱いやすさを気に入っていた人も多いのではないでしょうか。

シマノがリムブレーキを残してくれましたので、この組み合わせで12速化することも可能です。しかし11速のパーツと12速のパーツには互換性がないため、ギアを12速にするためだけにコンポ一式の買い替えとなってしまいます。高価なブラケットくらいは、ファームの書き換えで12速に対応して欲しかったところですね…。ブレーキも型番が変わるだけで、同じものをそのまま使うわけですから。

④ R8000系アルテグラ(機械式変速+リムブレーキ) の場合

現在の主流派と思われる構成であり、重量的にも最も軽いはずです。この構成からDi2+油圧ディスクにいきなり移行するのも中々大変と思いますが、これを機に諦めて移行する人も多かろうと予想しています。さてこの場合は、果たしてどの程度の重量増で済むのでしょうか。

こちらが構成内容と重量です。 新アルテは2,536gなので、旧構成の方が246g軽いです。こちらも重量だけ見ると話しになりません。ローターが2枚の他に、Di2にするとバッテリーの重量が増える…という具合です。しかし③の構成と比べると2gしか差が無いのは意外でした。

③の場合も含め、システムの変更に伴ってケーブル類の重量がどう変化するのか気になるところです。油圧ディスクにするとホース+オイルに変わりますが、リムブレーキの金属製アウター&インナーケーブルもそれなりの重さがある(特にアウターケーシングが重い)ので、重量に大差はないと言われています。Di2の場合でも同様です。

軽さを重視したい人は、12速のDi2+リムブレーキという選択になるのでしょうか。しかしリムブレーキの場合はDi2でも無線化されず従来と同じく全部有線のままなので、本当にスプロケに16Tが1枚追加されただけ…という変化になります。そのために費用をかけてR8100系を買うの?となると…実際に買う人は少ないのではないでしょうか。

■私の構成の場合

最後に私の構成の場合です。かなり適当な構成なので何の参考にもなりませんが、個人的に知っておきたいので記事にします。

適当な構成なのは、Di2+油圧ディスクになるとアルテとデュラのグレード間の性能差が小さくなるためです。油圧なら105でも制動力に変わりはほぼありませんし、変速もDi2であればスイッチをクリックするだけなのでアルテで十分です。確かに重量は軽くなるのですが、価格が違いすぎます。Di2デュラエースのRDはRD-R9150で71,000円ですが、RD-R8050なら29,000円で済んでしまいます。

という私の構成は以下の通り。全体で2,565gなので、新型にすると29g軽くなります。

クランクが105なのと、スプロケットが14-28という重いものを使っているため新型アルテにすると軽量化になるのですが、これらが無かったら重量的なメリットはあまりありませんね。

デュラエースも含めて、新型のメリットは12速化、無線化やブレーキタッチの改善など重量以外の部分ですからね。その代わりホイールは頑張ったから、ホイールも買って軽量化してねということなのでしょう。

■まとめ

まとめると、

  • Di2+油圧ディスクの構成の人:新型にすると16gだけ重くなるが、ケーブルも考慮すると恐らく重量増にならない。
  • 機械式変速+油圧ディスクの構成の人:30g以上軽くなる。
  • Di2+リムブレーキの構成の人:250g近く重くなる。12速化するか悩みどころ。
  • 機械式変速+リムブレーキの構成の人:上と同じ。
  • 私の構成:軽くなる。既に予約した(笑)

ということになります。Di2が高度化してどんどん価格が上がっていくので、買いづらくなってきています。リムブレーキの構成も残ってはいますが、型番を変えただけに近い製品を買い直さねばならず、コスパが少々悪いです。

いつかこのような決断を迫られることは予想されてはいましたが、実際に直面するとそんなに簡単な話ではないですね。私はこんな場合に備えて早々にDi2にして油圧ディスクにしてしまったのですが、それでも5年近くかかって徐々に慣れてきました。

油圧ディスクにすると、フレームのエンド幅も変わりますからフレームごと買い替えになりますし。

ロードバイクを用途に応じて3~4台も保有できれば悩む必要は無いと思うのですが、私も1台しか置き場がありません。なのである程度は諦めも含め、Di2+油圧ディスクという構成に段階的に移行しました。出来れば機械式変速+リムブレーキのデュラエースマシンは1台欲しいですね。

まぁ、その構成のマシンがあるにはあるのですが、7700系デュラエース(9速)なので、、、

今までも、変速の段数が増えるとフリーの規格が変わりこれまでのホイールが使えなくなるというのは良くある話でした。20年以上この趣味をしているとすっかり慣れてしまったので、旧規格が切り捨てられても抵抗せずに、新規格に移行しづつけるのは1つの方法だとは思います。規格が変わっていく、というのはこの趣味に限ったことではないですけども。

皆さんも大いに悩むことと思いますが、この記事が何かの参考になればと思います。

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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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