【iGS320】待望のパワメ対応!2023年2月の大型アップデート(Ver2.0)まとめ
2023年2月、iGPSPORTのサイコン『iGS320』に大きなアップデートが行われました。この記事ではアップデートの内容を紹介します。
iGS320は公称72時間のランタイムを誇るGPSサイコンで、価格も実売7,000円台。端子にUSB Type-Cを備える使いやすいサイコンです。パワメに対応していないことが唯一の泣き所でしたが、今回のアップデートでパワメに対応しました。
iGS320関連のレビュー記事はこちらです。
■バージョン2.0のアップグレード内容
今回のアップデートでは、ファームウェアのバージョンが2.0に上がりました。アップデート内容は以下の通り。
- パワーメーター対応
- アプリでのパワーメーターキャリブレーション実装
- オートスタート/ストップ機能の実装
- ライドの保存完了表示の実装
- ボタンのダブルクリックに対応
- GPS測位機能の改善
- ナビゲーション関連の不具合改善
以下、確認できた範囲で順に内容を紹介します。
■パワーメーター対応
最も待ち望まれていた機能である、パワーメーターに対応しました。これまでの私のレビューでも、パワメに対応していないことから『サブバイク用』や『ログのバックアップ用』などと紹介してきましたが、メインバイクにも使える性能を獲得しました。
実際の画面はこちらです。パワーメーターとペアリングすると、従来はナビと斜度が表示されていたスペースにパワー値が表示されるようになります。
通信規格について
対応する通信規格はANT+のみとなります。同価格帯ではキャットアイにもパワーメーターに対応する機種がありますが、キャットアイの場合はBluetoothのみ。Bluetoothに対応するパワメは数少ないのですが、ANT+であればほとんどの機種に対応します。
私は4iiiiのパワーメーターをペアリングさせました。
パワー値の表示について
表示されるパワー値はリアルタイムの値のみとなります。パワー値は比較的に乱高下する値のため、サイコンの設定で『3秒平均』や『5秒平均』を表示させて、値を丸くする人も多いと思います。
iGS320には、平均値を表示させる設定がアプリを含めて見当たりませんでした。『x秒平均』の値に慣れていると最初は見づらいのは確かです。
ちなみに、iGS320とiGS630を並べて使用して値を見比べた限りでは、お互いに近い値を表示していました。ここは今後のアップデートに期待したいところです。
ペアリングについて
iGS320とパワーメーターのペアリング方法が少々分かり辛いので、以下に改めて記載します(iGS320の『設定/ナビ編』の記事にも書いています)。
- 登録するセンサー(今回はパワメ)を予め起動しておく。
- ログを記録していない状態で右ボタン長押し。設定モードに入る。
※オートスタート/ストップ機能の実装により、少し走り出すとロギングモードになってしまいます。ロギング中は右ボタン長押しが『ログの保存』なので、いったんログを保存してください。 - 設定モードに移行後、右ボタンを2回押してセンサー登録モード(E3)にします。
- 左ボタンを1~2回クリックし、『PWR』の表示が出たことを確認。
- しばらく放置して設定モードを終了させる。
手順は以上です。その他のセンサー類(心拍やケイデンス)も同様です。
■パワメキャリブレーション機能
パワメ対応と同時に、パワメのキャリブレーション機能もアプリに実装されました。パワメを使う際は必須の機能なので、マメに実行しておきましょう。
■オートスタート/ストップ機能
オートスタート/ストップ機能が実装されました。
私は通勤で駅までの移動手段としてクロスバイクを使っています。そのクロスバイクでiGS320をほぼ毎日使っているのですが、
- 電源を入れる
- マウントに装着
- 数秒後にGPS捕捉
- 走り出すと勝手にログ開始
という流れになり非常に便利です。電源を入れるだけで後は何もせずとも良いので楽ちんです。このオート機能は、アプリからON/OFFすることが可能です。
■ライドの保存完了表示
ライド終了後にログを保存する場合は保存の処理を行いますが、保存が完了した時に『SAVE』という表示が出るようになりました。
保存は『右ボタン長押し』ですが、これまでは音で判断するしかなかったところ画面にも表示が出るようになり、より確実に保存出来るようになりました。
■ダブルクリック対応
ボタンのダブルクリックに対応しました。ダブルクリックには『ラップ』機能が割り当てられており、これにより『左ボタンをログ一時停止 or ラップのどちらに割り当てるか』という設定が廃止されました。
これまではラップ機能を左ボタンに割り当てると、ログの一時停止が出来なくなっていたのです。
アップデート後はデフォルトでオートスタート/ストップ機能がONになっていますので、停止すれば左ボタンを押さなくともログも自動停止します。『左ボタンのシングルクリック』は、(オートスタート/ストップ機能が有効であれば)走行中のログ一時停止として使うことになります。
■その他
その他、GPS測位の高精度化、APGSロジックの最適化によりGPSの測位が高速になりました。ただ、アップデート前も測位は数秒で完了するほど速かったので、あまり体感出来ないかもしれません。
測位の高精度化によってナビ機能も改善したとのことですが、この機種でナビを使う人はあまり多く無いと思いますので今回は割愛します。
またオートスリープ/オートオフ機能も実装されています。測定したところ約5分でディスプレイが消える仕様となっています。
■まとめ
今回のアップデートにより、最初に購入するサイコンとしても、2台目として購入する場合でも十分使える機種になりました。
Garminも2023年2月現在では最も安価な機種がEdge130PLUS(28,800円)であり、非常に高額です。この価格帯でこれだけの機能があり、今回のようにアップデートもしっかり行われる機種はなかなか見当たらないのではないでしょうか。
iGS630もすごい早さでアップデートを繰り返していますので、iGPSPORTのサイコンは個人的にもお勧めできます。端子もType-Cなので、わざわざmicro USBを買わなく良いこともメリット。気になった方は一度使ってみることをお勧めします。
公式の説明書は更新されていないので質問なのですが、パワーメーター接続後、勾配を確認することは可能でしょうか?
記事にあります通り、勾配表示の代わりにパワー値が表示されます。よって、勾配を確認することは出来ません。
疑念が解消されました、ありがとうございます!