【ZIPP】ディスクブレーキ用ホイールのまとめ。2023年版

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各ブランドのディスクブレーキ用ロードホイールのラインナップをまとめています。今回はZIPPです。

■ZIPPを簡単に紹介

ZIPPは今でこそ知らぬ人はいないブランドです。

しかし当初(と言っても30年以上前ですが…)はドラフティングが禁止されているため単独走での空力が重視されるトライアスロン界において、性能の高さから大流行しました。

ZIPPのヘッドオフィスはモータースポーツで有名なインディアナポリスです。ZIPPのサイトを見ると、モータースポーツでの技術の蓄積がZIPPの高品質の背景にあると述べられています。ちなみにZIPPは2007年にSRAMに買収され、SRAMグループの一員です。

現在もインディアナポリスの本社敷地内に工場を構え、樹脂を含侵させたカーボンシート(プリプレグ)を保管する冷凍庫(プリプレグは冷凍保管が必須。冷凍しても2年程度で反応が進んで劣化するため)から焼き上げを行う施設までを自社で保有しています。ENVEと同様、ZIPPもカーボンのプリプレグを自社で製造しているということになりますね。高品質なカーボンプロダクトを製造するためには、自社で製造設備とエンジニア(職人)を抱える事が必要な時代なのです。

■ZIPPホイールのラインナップ

ZIPPには、FirecrestとNSWという2つの製品ラインがあります。一言でいうとNSWがハイエンド、Firecrestがミドルグレードという製品ラインになります。最新技術はまずNSWに導入され、その後にFirecrestに降りてくるという流れです。

Firecrestがラインナップに追加されたのは2010年。当初はNSWが無かったのでFirecrestがハイエンドのラインでした。それ以前からのZIPPの代名詞である幅広リム(当時は内幅17mmで幅広リム扱いだった)と、ディンプル加工がFirecrestのポイントです。

そして2015年にFirecrestの上位モデルとしてNSW(Nest speed Weaponry)が追加されます。2016年には、生態模倣学を用いて開発された454NSWがリリースされます。ザトウクジラのヒレを研究したと言う、あのギザギザのリムですね。

2018年に、FirecrestにもNSWの技術が降りてくるというアップデートが行われます。リムサイドのディンプルとブレーキ面の加工です。この際、NSWについてはクリンチャーモデルがチューブレスに対応するというアップデートが行われました。

そして2020年になり『フックレス』のホイールがラインナップに加わります。『303 Firecrest』と廉価版の『303S』です。続いて2021年以降にFirecrestの404や808がフックレス化。更にNSWもフックレス化し、ディスクブレーキ用ホイールのチューブレスモデルは全てフックレスリムになりました。

それでは順に見ていきましょう。

Firecrest

まずはFirecrest(303Sを含む)です。

リム高内幅外幅重量価格(税込)
303S Tubeless4523281,530223,800
303 Firecrest Tubeless4025301,408365,400
303 Firecrest Tubular45271,372471,800
404 Firecrest Tubeless5823281,559345,400
808 Firecrest Tubeless8223271,635398,700

※価格は2022年8月の価格改定後の価格。
※重量はXDRフリーの場合。

まずFirecrestシリーズのハブは、全てZR1ハブです。303Sは302の後継モデルなので、76/176ハブを引き継いでいます。リムは全てフックレスで、チューブレスタイヤの使用が前提です。

またどのホイールもリム内幅が23mm以上ありますので、28Cタイヤの装着を前提にリム形状が最適化されています。

中でも目立つのが303Firecrestですね。リム内寸が25mmという超ワイドリムなのですが、フックレス化により重量わずか1,408gです。お店で見せてもらったことがありますが、リムサイドは紙のような薄さなのでは?と感じてしまうほど。

NSW

次にNSWシリーズです。

リム高内幅外幅重量価格(税込)
353 NSW Tubeless40/4525301,308785,000
454 NSW Tubular53/58271,463785,000
454 NSW Tubeless53/5823281,428785,000
858 NSW Tubeless82/8523271,530818,000

※価格は2022年8月の価格改定後の価格。
※重量はXDRフリーの場合。

まずNSWシリーズのハブは、全てCognition V2ハブです。磁力で噛み合う無印Cognitionハブからバージョンアップしました。

V2ハブはSylomer®(優れた弾性性能を持つポリウレタン素材)スプリングで2枚のラチェットを嚙み合わせるAxial Clutch V2システムを搭載。1周あたり54ポイントのラチェットを備え、惰性走行時はラチェット同士の接触抵抗が一般的な爪タイプの約1/2となるとのこと。

NSWシリーズはリムハイトを2つ記載していますが、これは例のギザギザのリム(Sawtoothプロファイル)だからです。製造工程も複雑で歩留まりも悪そうなことが一目瞭然な形状ですので、価格も高いですね。

以前は先にフックレス化を果たしたFirecrestシリーズの方が軽量だったのですが、NSWもフックレス化して大幅に軽くなりました。2022年8月の価格改定で2割ほど価格が上昇したため、価格もすごいことになっていますが…。それでも454や858は空力が非常に優れているとのことなので、一度は乗ってみたいホイールです。

グラベル、ディスク

最後にグラベル用の101と、ディスクホイールのSuper-9です。数が少ないので合わせて紹介します。

リム高内幅外幅重量価格(税込)
101 XPLR Tubeless27361,620357,100
Super-9 Tubeless18281,132512,300
Super-9 Tubuar27.51,003458,300

※重量はXDRフリーの場合。

ZIPPからもグラベル用ホイールが出ています。もちろんフックレスリムです。XPLRは『エクスプロア』と読むとのこと。Firectestと同じZR1ハブが使われています。

Super-9はタイムトライアル用のディスクホイールです。こちらもチューブレス用がありますが、表記を見る限りフックレスリムではありません。

今やZIPPだけでもこれだけのディスクブレーキ用ホイールがラインナップされており、ホイール選びに困ることは全く無いと言えます。しかもディスクブレーキならリム幅を広く作ることが可能なため、空力に優れたホイールが次々に出ています。悩ましいのは全てフックレスなところ…。

2022年の記事はこちらから。

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管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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