【レビュー】軽い!しなやか!そして暖かい!カステリの次世代新型ジャケット『FLY JACK-SEY(フライ ジャックシー)』
カステリの春秋用ジャケット『FLY JACK-SEY(フライ ジャックシー)』のレビューです。
夏ジャージで普及し始めている『襟なし』が、ジャケットにも登場しました。そのため独特の外観となっていますが、薄手のネックウォーマーと組み合わせると高い汎用性を発揮する優れた商品です。
商品を購入する場合、公式オンラインストアがお勧めです。本国の倉庫から出荷されるため各サイズ/各色の在庫が揃っています(記事の最後に常時使える当ブログ専用クーポンコードの記載があります)。
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■総合評価
『朝は寒いが昼は暑い』という、ウェアリングに困る季節にポイントを合わせてリリースされたジャケットです。流行りの『襟なし』デザインですが、このデザインにも機能的な理由があります。
- 薄さと軽さ、高い保温性を兼ね備える
- 体幹を保温して、首で放熱するというコンセプト
- ネックウォーマーとの併用でゆるポタから高強度まで対応
- 生地がしなやかで非常に動きやすい
- 襟なしのデザインは慣れる
■入手経緯
通常は『購入動機』となるこのパートですが、今回はカステリ社のご厚意によりこちらのジャケットを提供いただきました。そのため『入手経緯』としています。いつもありがとうございます。
他に『PERFETTO LIGHT GLOVE』『TOE THINGY2』も提供いただきました。
■製品概要
製品スペック
webサイトに載っている情報を以下にまとめます。
- 価格:35,200円
- カラー展開:3色
- サイズ展開:XS~3XL(7サイズ)
- 対応温度帯:9~17度
- 重量:205g
- 表地:FLY SLシェル
- 中綿:CLIMA SLインサレーション
- 裏地:GORE INFINIUM WINDSTOPPER+裏起毛
対応温度帯は9~17度と、真冬ではなく春秋がターゲットです。3層構造になっており、中間にはダウンジャケットのように断熱素材(インサレーション)が入っています。表面のシェルには撥水加工がなされており水を弾くほか、裏地にはGORE-TEXが使われていて防水・防風となっています。
春秋用のジャケットとしては比較的高価ですが、スペックだけを見ても価格にふさわしい内容となっています。
製品ライン上の位置づけ
カステリには既に春秋用のジャケットが複数あります。カステリとしては『FLY JACK-SEY』(以降、JACK-SEY)と既存のジャケットの使い分けをどのように考えているのか、同カテゴリの製品を一覧にしてポジションを確認します。
※価格は税込です
※表はスクロールします
名称 | 断熱 | 防水 | 防風 | 通気 | 軽量 | 温度帯 | 重量 | 価格 |
FLY JACK-SEY | 3 | 3 | 4 | 4 | 5 | 9-17 | 205 | 35,200 |
Alpha Flight RoS | 3 | 4 | 3 | 4 | 4 | 6-16 | 299 | 41,800 |
Beta RoS | 3 | 4 | 4 | 4 | 5 | 8-18 | 246 | 29,500 |
GABBA RoS 2(半袖) | 3 | 4 | 5 | 4 | 3 | 9-16 | 300 | 29,700 |
Alpha Flight RoSはアルファシリーズで、2層構造で温度調整を行います。通気性重視でGOREは使われておらずNano Flexがメイン生地。そのため防風性が3です。
Beta RoSはPolartec NeoShell(裏起毛なし)がメイン生地で伸縮性を重視した薄手のジャケット。JACK-SEYが出るまでは長袖の中で最軽量なジャケットでした。
GABBAは定番のPERFETTOシリーズの半袖で、GORE INFINIUMを全面に使っています。この中では重めですが防御力は高い。
並べてみると、JACK-SEYはGOREと中綿を併用することで従来の性能を維持しつつ、これまでの製品にない軽量さを追求した製品といえます。最もキャラクターが被っているのはBeta RoSですが、軽量さと生地のしなやかさに関してはJACK-SEYが優れています。ただし耐候性はBeta RoSが優れていますので、目的によって使い分けましょう。
重量
今回のサイズはSサイズ。公称重量である205gはLサイズ基準ですが、Sサイズはなんと151gでした。ジャケットとして高性能のプロテクションを備えながらもジャージ並みの軽さです。
外観
全景はこの通り。最初に感じるのは『これ、寒く無いの??』ということ。一応春秋用のジャケットなのに、襟が無いという見た目の違和感が凄い。次に感じるのが手に取った時の『薄くて軽い!』ということ。これまでのジャケットとは一線を画す軽さですが、これまた不安になるレベルの薄さと軽さ。
確かに半袖ジャージは襟なしが増えてきました。私も持っています。襟が無くなった理由は『空気抵抗削減』と『どうせジッパーを下げるなら最初から無くて良い』ということらしい。
しかしジャケットから襟を取ってしまったら、さすがに寒い気がします。
対応温度帯が9度以上となっていますが、9度って割と寒いです。例によって『強度を上げて解決してください』という発想なのか…?ネックウォーマーと併用する前提なのか…?と疑問が尽きません。この辺は後ほどレビューします。
これだけ薄くて軽いジャケットですが、GORE-TEX INFINIUM WINDSTOPPERが使用されており防風・防水機能は完璧です。
Beta RoSのように首元にフラップが備わっています。わずかなフラップですが、ジッパーからの冷気流入をしっかりと防げるので、あるのと無いのとでは大違いなんですよね。
細かな温度調整用にダブルジッパーを装備。ジッパーは信頼のYKKです。裾にはGOREのロゴも入ります。中央のライトグレーの部分が中綿入りの箇所で、サイドは通気性を重視して中綿が省略されています。裾のシリコングリップは細めですが、しっかりグリップします。
背面は中綿が入っておらず通気性重視です。袖口と裾には反射材が装備されています。バックポケットは3つで、中央には反射材が付いたジッパー付きポケットが追加されています。
内側です。黒い部分が中綿入り。背中の上部まで保温する構造になっています。
■レビュー
それではレビューです。
サイズ感
今回はSサイズを選択(私の体格は身長170cm、体重57kg)。ジャケットは着ぶくれしがちなので、空気抵抗削減のためピタピタで着たい。そのためXSを選ぶことが多いですが、今回は薄手のジャケットなのでSにしました。
結果としては胴まわりはジャストフィットでした。しかし海外製品の宿命で袖が1~2cmほど余ります。悲しきアジア人…。
ちなみにサイトに掲載されているモデルさんのように『シュッ』とした着こなしにはなりません。薄手のダウンジャケットのようなウェアなので、どうしてもシワができます。
購入の際は返品の送料無料制度を活用して、なるべく複数サイズを取り寄せて試着するようにしましょう。
※返品の送料無料は、室内での試着だった場合のみに限ります
暖かさ
対応温度帯は9度以上となっており、また襟が無いことからも真冬に着用する製品ではありません。この日は家事をこなして11時に自宅を出発して荒川CRに向かいます。時期は2月の中旬ですが、正午近い時間で気温は約14度と割と暖かい。
最初の感想としては『走り始めは首周りが肌寒い』です。首が露出しているのですから、当然の事象と言えます。
しかし、あくまでも首に風が当たると寒いというだけで、露出していない首から下は快適そのもの。保温性能は中綿に依存しているわけですが、この薄さでこの暖かさ。体幹部分はこれまでのジャケットよりもむしろ暖かい。
首周りについては『体が温まるまでは寒いかもしれない』と想像していたので、今回はそのような場合に備えてネックウォーマーを携行しました。
これは『HEAD THINGY』というアイテムです。ペラペラなのでウォーマーというよりは夏も含めて多用途に使える大きなヘッドバンド的なもの。これを首に付けると一気に暖かくなりますので、5度くらいまで余裕で使えそうです。
走り始めがどうしても寒いという場合は、製品コンセプトには反しますがこういったアイテムで一時的に補うのも1つの手かと思います。さすがにダウンヒルの際には必須ですし、着こなしのワンポイントとしても有効なので積極的に取り入れたいところ。
そして荒川CRに到着して強度を上げられるようになると、気温は変わっていないのにネックウォーマーが邪魔に感じるようになります。
『体幹を保温して、首から放熱して調節する』というコンセプトであるため、どんなにペラペラのネックウォーマーであっても、首周りからの放熱を妨げるアイテムを着用すると暑くなり過ぎるのです。なるほど、良く考えられている…。
巡航中はこんな感じです。見た目の違和感はあまり感じませんね。
これまでのジャケットは防風機能を重視したものが多かったのですが、JACK-SEYは保温と防風の両方をこなしてくれます。体幹が適度に温かいため、首周りに風が当たって冷却されると非常に快適です。むしろ冷却されないと暑すぎて困る。
これまでのジャケットは、強度が上がるとジッパーを下げたりベンチレーションを開けて風を入れていました。『だったら襟は無くて良くない?』という発想が出てくるのも納得です。むしろ後述の運動性能と合わせて、これがスタンダートになるでしょう。
体幹の適度な保温性能と、首周りの冷却度合いのバランスが非常に良くて、この辺りの匙加減がさすがカステリ…分かってるじゃないですか…と感じます。首は露出しているものの、内部には風が全く入ってこないという点も驚きです。
運動性能
高強度における快適さの他に、運動性能も秀でています。
これまでのPERFETTOやGABBAを始めとする、防水防風フィルム(GOREやPolartecなど)を使ったジャケットは、生地に独特の固めの質感がありました。
ダンシングなど大きな動きではどうしても突っ張り感があったのですが、JACK-SEYにはそれが一切ありません。JACK-SEYもGORE-TEXを使っているのですが、断熱を高性能な中綿で実現しているので生地が非常に薄く、しなやかなのです。
結果として軽量さにもつながっており、上半身の動きを妨げることが全くありません。この快適さは是非一度体験して欲しいところです。この日は時間の都合で峠には行けませんでしたが、ダンシングで坂をゴリゴリ登っていくには最適なジャケットだと思います。
使い勝手
その他の使い勝手です。バックポケットには、4つ目のポケットとしてジッパー付きのポケットが装備されています。
このポケットですが、しっかりしたストラップが付いていて非常に開閉しやすい。走行中もストレスなく中身にアクセス可能です。
ダブルジッパーも細かな温度調整が可能で、ヒルクラの際には必須の仕様といえます。私はPERFETTOがリニューアルした時、ダブルジッパーのためだけに買い替えたほどです。
またダウンジャケットのような構造なので生地表面の防水性が不安でしたが、NanoFlexのように水を弾きます。実際に水をかけて撥水性を確認しましたので、動画で確認ください。
春先は天候が不安定ですから、NanoFlexのタイツやニッカーと合わせると雨対策も完璧です。
■まとめ
『ジャケットなのに襟が無い』という見た目が特徴的ですが、汎用性の高い高性能ジャケットです。確かに体が温まるまでは首周りに寒さを感じますが、薄手のウォーマーの類と併用すると5度前後から使用可能です。
体が温まった後はネックウォーマーを外せば快適そのもの。非常に優れた製品なので、今後は私の中で定番になると思います。
あえて欠点をあげるとすれば、シワが寄りやすいので速度を出したとき(50km/h以上くらい)に空気抵抗が多少増えること、グラベルに突入して枝にぶつかると穴が開くかも…という程度でしょうか(グラベルには行かなければ済む話ですし)。
見た目のインパクトはありますが、相反する要素が高次元で上手くまとまっており、久々の大型新人です。こうなると他のFLYシリーズも欲しくなってきますね、厳冬期用の『FLY THERMAL JACKET』も試してみたくなります。
今年は暖冬なので、JACK-SEYに最適なシーズンが長く続きそうです。早めに買えば今シーズンもしっかり活用できると思います。
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