ヘッドにガタが出る場合の意外な原因と対処法。それはとあるパーツが欠けていたことでした。
ヘッドにガタが出ているが、一般的な方法では治らなかった場合の対処法です。
■ヘッドにガタが出る
ヘッドカバーの交換後からガタが…。
ハンドルの位置を下げたくて、1月にヘッドカバーを低いものに交換しました。
そこから3か月も経過しているのですが、どうもヘッドがガタつくことに気が付きました。フロントブレーキをかけた状態で車体を前後にゆすると、明らかにヘッド(フォーク)に『ガタ』があるのです。ヘッドカバー交換後に200kmのブルべも走ったりしているし、何故今頃気づくのか?それとも交換直後はガタついていなかったのでしょうか?
しかし後程判明する原因から察するに、不具合はヘッドカバーの交換直後から出ていたはずです。なんて鈍感なんだ…。
■原因を探る
いずれにしても原因を探らないと対処出来ません。ヘッドがガタつく場合、一般的には以下のような事象が原因であることが多いです。
1、トップキャップの締め付け(引き上げ)不足
最もメジャーなパターン。調べると対処法がいくらでも出てきますが、トップキャップの締め付けが足りないために、コラムを十分に引き上げられていない状態です。
ここが十分に締め付けられていないと、上の画像の通りヘッドとヘッドカバーの間に隙間が出来てしまい、その分だけフォークが動いてしまいます。
締め付けが十分でない理由としては、
- 単に締め付けが緩い
- ステムのボルトを先に締めた
- 段差が足りない<
が挙げられると思います。特にステムのボルトを先に締めてしまうと、その状態でコラムが固定されてしまいます。その後にトップキャップをいくら締めてもガタは取れません。
私も最初にここの固定力が不十分なことを疑いました。しかし
- 十分に締め上げる ⇒ ハンドルが切れなくなる
- ほどほどに締め上げる ⇒ ガタが出る
という具合で、上手くいきません。コラムとスペーサーの段差もこの通りで、十分確保されています。
またプレッシャーアンカー上部の形状とヘッドキャップ裏側の形状の相性によっては、段差にかなり余裕が無いとコラムの引き上げが出来ない場合もあります。
【参考】RITEWAYブログ:『ステム交換やコラムカットでヘッドのガタが出た時の解消方法とKCNC「ヘッドセットスペーサー』
2、プレッシャーアンカーの位置がずれている
1に比べるとレアケースと思いますが、そもそもプレッシャーアンカーの位置が緩んで上に上がってきてしまっており、引き上げに必要な段差が無くなってしまっているケース。この場合も当然ながらコラムを引き上げることが出来ずヘッドが十分に固定されません。
こちらのワイズロードの動画が詳しいです。
対処法としてはプレッシャーアンカーの位置を適切な場所に再固定してあげればOKです。私の場合はこちらでもありませんでした。
3、スペーサー不足
そして最後。スペーサーの不足。スペーサーと言っても、コラムスペーサーの事ではありません。ヘッドキャップとヘッドの間に極薄の『マイクロスペーサー』を挟む必要がある場合があります。
私の場合はこれでした。こちらもレアケースと思うのですが、ネットで探しても中々対処法が出てこなかったので以下に解説します。なぜこの原因に行きついたのか?と言うと、自分では分からずにお店の人に相談したからです(笑)
トップキャップを売ってくれたYさん(お店の店長さん)に聞くと
『あの時にスペーサーも一緒に渡しましたよね?それ、入れました?』
と即答でした。
入 れ て な か っ た よ!
■原因は…スペーサーだった
自分で記事に書いていた
このマイクロスペーサーですが、どうやらFSAのヘッドキャップを使った場合に必要になるようです。気になったのでヘッドカバーを交換した時の自分の記事を読み返してみると、
ベアリングとの組み合わせによって、若干ガタが出る場合があるかも…とのことで、間に挟む0.25mmのマイクロスペーサーも3枚ほど一緒に調達しました。
正にこの事ですね!我ながら悲しくなりました。マイクロスペーサーも画像でしっかりと上げています。完全に忘却の彼方。
このマイクロスペーサーなるもの、厚みは1枚あたりわずか0.25mm。これを1~2枚挟むと解消するようです。こんなペラペラのスペーサーで本当に解決するのか…?
正解を知ったうえで改めて検索してみると、CB名無しでも同じスペーサーのレビューがありました。このレビューではガタ解消ではなく、ヘッドとトップカバーの間に適切な隙間を確保し、締め上げによりハンドルが動かなくことを解消するためとあります。なるほど、そういう事なんですね。
CB名無し:『FSA マイクロスペーサー』
早速スペーサーをかましてみます
道具箱を漁ると、ヘッドカバーを購入した時に貰ったマイクロスペーサーが出てきました。早速装着してみましょう。
まずはステムのボルトを緩めます。
ヘッドキャップを取ります。
ステムを抜くためにハンドルを外します。
ステムを抜きました。
これがマイクロスペーサー。今回は、まず2枚挟んで様子を見ます。
この位置に収まります。
パーツを装着していきます。
元通りになりました。ヘッドキャップをしっかり締めます。
■無事に治った
ガタをチェック
それでは、再びフロントのブレーキをかけた状態で車体を軽く前後にゆすってみましょう。おお、ガタが消えています。フロントの剛性感が全く違います。今まで良く乗っていたな…。
その後、早朝に近所を走るというライドを数回繰り返してテスト。合計50kmほど乗りましたが問題ありません。フロントブレーキがしっかり効いて気持ち良い。
しかしヘッドカバーの裏側に0.25mmのスペーサーを2枚入れるだけで、パーツの収まりがここまで変わるとは驚きです。合計0.5mmのスペーサーが無かったせいでヘッドパーツの押さえが効かずに、ガタが発生してしまっていたとは(もしくは押さえ過ぎになり、ハンドルが切れなくなる)。ヘッド周りのパーツ交換なんてほとんどしませんから、今まで知りませんでした。FSAのトップカバーに交換する方は気を付けましょう。
マイクロスペーサーもちゃんと販売されていますので、セットで買うのが宜しいかと思います。