【Lun】ディスクブレーキ用ホイールのまとめ。2024年版
各ブランドのディスクブレーキ用ロードホイールのラインナップをまとめています。2018年頃から続けています。今回はWINSPACEのホイールブランドであるLunです。
更新履歴
・2024/02 MEGA D45のスペックを追加
■LUNを簡単に紹介
LUNはWINSPACEが販売するホイールのブランド名です。WINSPACEは中国のアモイに本社を置く中国企業です。
数年前から非常にコストパフォーマンスの高いホイールを販売していることで有名です。
日本語サイトもありますがなぜかこちらには沿革が掲載されており、そこには『日本発祥』とあります。日本とどのような関わりで設立されたのかは不明(サイスポの記事には『大阪で立ち上がったブランド』とある)ですが、主だったものを時系列で並べると以下の通り。
- 2008年:設立
- 2012年:ロンドンオリンピックにて日本女子代表がフレーム(T1050)を使用
- 2013年:三浦恭資監督と連携してフレームを開発(エアロT1150)
- 2020年:ホイールブランド Lunを設立
- 2021年:WINSPACE JAPAN(日本法人)を設立
ちなみにホイールブランドとしてLunが設立されたのは2020年ですが、それ以前からもラインナップにはホイールがありました。
また日本法人の代表者の1人に石倉さんという方が記載されていますが、この方は少なくとも10年は日本におけるWINSPACEの拡販を担っており、日本にWINSPACEを広めた方といえます。
石倉さんのツイートを見ると残念ながら2024年1月にWINSPACE JAPANを退社したとありますので、サイトの記載にも変更があるかもしれません。また前年の2023年4月にはSparkle Oitaに加入しています。
■MEGA
新たなLunのフラッグシップとなるMEGAシリーズです。2023年7月に発表されましたが、2024年2月にようやくD45が発売されました。MAVICのアルティメットのようにハブを介して1本となっているカーボンスポークを使うなど、かなりコストのかかる仕様となっています。
発表当初の価格は39万円でしたが、発売時は45万8千円に値上がりしました。
※スペックは発表当時のもの。価格改定後の価格が明らかになっているのはD45だけですが、これまでの他シリーズが3モデルとも同一価格であったため、MEGAも同一価格として記載しています
リム高 | 内幅 | 外幅 | 重量 | 価格(税込) | |
MEGA D33 | 35 | 21 | - | 1,287 | 458,000 |
MEGA D45 | 46/54 | 21 | 27.6/27.8 | 1,375 | 458,000 |
MEGA D67 | 60/68 | 21 | - | 1,476 | 458,000 |
HYPERでも20万円台前半というコストパフォーマンスの良さが特徴だったLunですが、MEGAに関しては性能を追求してきました。その結果、価格は安いとは言えないものに。重量だけを比較するとHYPERと50g程度しか変わりません。
しかしホイールの性能は重量だけではありませんので、専用に設計されたカーボンスポークやカーボンフランジ、セラミックベアリング(これはHYPERでも採用されています)など、トータルでの性能を追求した仕様となっています。
■HYPER
LunのフラッグシップであるHYPERシリーズです。元からコストパフォーマンスが非常に優れていましたが、2022年にリニューアルし更に競争力のあるスペックとなりました。
リム高 | 内幅 | 外幅 | 重量 | 価格(税込) | |
HYPER D33 | 35 | 21 | 27.6 | 1,330 | 242,000 |
HYPER D45 | 46/54 | 21 | 27.6 | 1,421 | 242,000 |
HYPER D67 | 60/68 | 21 | 28/28.5 | 1,515 | 242,000 |
リニューアル前は前後でリムのプロファイルが同じでしたが、リニューアル後は45と67では前後でリムを作り分けるようになりました。
リムを前後で作り分ける方が良いというのは分かっているでしょうが、当然ながらコストがかかります。それでもこのスペックで24万円台というのはかなりの競争力です。
スポークは引き続きカーボンスポークを使用しており、リム内幅は19mmから21mmに拡大。空力を考慮して28mmタイヤの装着も想定しています。
Lunホイールの見た目の特徴である『バタフライエフェクト』も健在で、スポークホール周りのリムが強化されています。同じような手法はフルクラムのレーゼロカーボンでも用いられていますが、Lunの方が見た目のインパクトが強いですね。
また商品名が前作を受け継いでいるため、『D45』でありながらリムハイトが46/54mmです。商品名からリムハイトをイメージしづらいですが、このスペックと価格であれば嫌でも選択肢に入ってしまうというレベルに仕上がっています。
■HYPER SE
セカンドグレードが『HYPER SE』です。スペックと価格は以下の通り。
リム高 | 内幅 | 外幅 | 重量 | 価格(税込) | |
HYPER 2023SE D33 | 35 | 21 | 27.6 | 1,348 | 180,000 |
HYPER 2023SE D45 | 46/54 | 21 | 27.6 | 1,428 | 180,000 |
HYPER 2023SE D67 | 60/68 | 21 | 28/28.5 | 1,518 | 180,000 |
上位グレードのHYPERとリムのプロファイルは同一です。それでいて価格は一気に60,000円ダウン。重量もほとんど変わりません。D67にいたってはわずか3gの差となっています。総重量が大きい方が差が開きそうなものですが、逆の現象が起きています。
HYPERとの違いですが、サイトの情報を読む限りではベアリングがセラミックではなくスチールであること、バタフライエフェクトによるスポーク周辺の強化の有無程度しかありません。
これは非常にお買い得なのではないでしょうか。数年後には、カンパやMAVICといった現在のメジャーブランドとシェアが逆転している気がします。
WINSPACEのLunも、もはや一昔前の中華ブランドという域を超えたブランド力を確立しており普通に見かけるようになってきました。今後も情報を更新していきたいと思います。