Di2関連

R9150系デュラエースDi2 シンクロシフトとセミシンクロシフトについて

morou2

さて皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回はDi2ならではの機能、シンクロシフトです。MTBのコンポでは既に約2年も前からありますので、目新しい機能という訳ではありません。しかしロードでは今回のR9150系デュラエースDi2から初導入であり、MTB系コンポには無い『セミシンクロシフト』という機能も追加されていますので、簡単に紹介したいと思います。

■シンクロシフトとは

まずシンクロシフトとは、シマノのマニュアルによると『フロントとリアの変速を連動させることで、フロントとリアのギアポジションを最適に保つ機能のこと』とあります。

特にMTBの場合だと、フロントがトリプルというケースもあるし、またダブルだったとしてもロードよりも変速の頻度が高くなります。そこで、人間がギアの『つなぎ』を意識せずとも、例えばRDを『軽くしたい』とカシャカシャとシフトダウンしていくだけで、ギアレシオがスムーズに繋がるように自動的にフロントの変速もしてくれる、というものです。ロードで言えば、アウターに入ったままシフトダウンしていくと、残り2枚目あたりでインナーに変速してくれる(それと同時にリアはシフトアップ)というもの。

仕組みを解説します。まず下記はMTBの場合ですが、黒い矢印がシフトアップの場合です。ローギアから始まって、3枚目に来ると自動的にフロントがミドルに変速し、それに伴いリアも2枚目に落ちます。そこからまた6枚目までシフトアップすると、自動的にフロントがアウターに変速し、リアも5枚目に落ちる、という動きです。
※この設定はE-TUBEから変更することが可能

ロードの場合はこうです。Aはインナー、Bはアウターを示しています。

インナーのままリアを7枚目までシフトアップしていくと、7枚目に入れた瞬間フロントがアウターに変速し、リアは2枚シフトダウンして5枚目まで戻ります。初期設定では、リアの動く幅がMTBだと1枚だったものが、ロードでは2枚動くようになっています。

これだとイメージしづらいので、具体的な歯数を入れた表をExcelで作りました。スプロケットは12-28Tにしています。

このような動作をするということですね。

■シンクロシフトのメリット

まず最初にあげられるメリットとしては、チェーンのたすき掛けを無くすことで、パワーロスを無くしましょうということですね。実はチェーンについて、『たすき掛けをしないこと』をバカにしてはいけません。自転車乗りのバイブル、ふじいのりあきさんの『ロードバイクの科学』によると…

チェーンを斜めにたすき掛けすることで、まずチェーンの張力が増します。それに伴い接触面の圧力が増加して、摩擦力も増えるということになります。そのロスはなんと1%程度にもなるとのこと。

ということで、1%余計に頑張り続けられる人は良いですが、そうでない人はフロント及びリアの変速は機械に任せて、綺麗なチェーンラインで走った方が速くなるということになります。

また別のメリットとしては『人間が考える時間が無くなる』というものがあります。チェーンのたすき掛けが効率が悪いということは先ほど記載しましたが、では実際にフロントがアウターの時にリアがどこまで行けばインナーに落とす必要があるのか、確たる判断基準を持っている人はあまり多くはないのではないでしょうか。

もちろん、坂がどこまで続くか、勾配はどの程度なのか、レースでは自分の脚の残り方などで状況は様々なので、一概には決められないと言ってしまえばそれまでです。ですが、実際にたすき掛けになった時に、フロントを変速しようか迷った経験は誰しもあると思います。

場合によっては数秒かも知れませんが、ギア選択を逡巡している間に
・効率の悪いギアの組み合わせで走り続ける
・結局フロントを変速することになり、たすき掛けで走った時間は無駄だった
という事が起こりえます。

フロントの変速を逡巡するのは、『一緒にリアも変速しないとギア比が連続しないが、フロントとリアを同時に変速するのは面倒』だからではないでしょうか。だったら変速は機械に任せて、あるポイントが来たらフロントとリアを同時に変速してもらう…しかもDi2だから変速は一瞬で完了させて…人間は黙々とペダリングに集中する方が、結果的に無駄脚を使わないことが多いのでは?と考えます。

この『フロントとリアをセットで変速してくれる』というのが大きいですよね。だって絶対大変ですもの、坂の途中でフロントもリアも両方変速するのって…。そこがDi2シンクロシフトなら『ウィーン、ウィッ』でどちらも変速完了ですよ?超らくちん。

ちなみに、それでも『自動で機械に変速されるなんて嫌』という方(そういう方は、そもそも機械式変速の方が良いかも知れませんが…)には、『セミシンクロシフト』というモードがロード用に用意されております。

■セミシンクロシフト

セミシンクロシフトとは、下記のような動作をします。

例えばアウターからインナーにフロントを落とした場合、リアがそのままでは繋がりが悪すぎますので、リアは2枚程度を自動的にシフトアップしてあげますよ、というモードです。我々がいつもやっている事ですね。

ノーマルのシンクロシフトとの違いは、フロントの変速がマニュアル操作になるという点ですね。これならいつもやっていることですので、これすら利用したくないという方は比較的少ないのではないでしょうか?

ちなみに、シンクロシフトそのものを利用しない設定も当然出来ますので、馴染めない人はマニュアルにしておけば問題ありません。

ということで、人間はより走ることに集中出来るようにしてくれるツールである、シンクロシフト。上手く設定すれば、上手に使えるようになりそうです。しかし今のところ、対応しているのは9150系の新しいFDとRDのみ。FD-R9150だけでも35kくらいしますから、とても買えません(9070系でも同程度の価格でしたけど)。。。アルテグラにおりてくるのには、もう数年かかりそう…。

(2017/03/30追記:今月にシマノから、9070系と6870系もファームのアップデートによってシンクロシフトに対応するようになりました。ファームの更新の他に、マスターユニットを最新の製品に買い替えることも必要です)

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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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