半年経ったチューブレスタイヤの中はどうなっているの?チューブレスタイヤ、リムの中を紹介(GP5000編)
久々にホイールを買いましたので、タイヤも交換となりました。半年ぶりにチューブレスタイヤの交換を行いましたので、久々の『チューブレスタイヤを外すと中はどうなっているの?』シリーズを書いてみます。
前回の記事はこちら。
■記事の趣旨
このシリーズは、私がチューブレスタイヤを使いたいと思った時に疑問に感じた内容を中心に紹介します。
パンク時にはチューブを入れれば良いと皆さん簡単に言いますけども、タイヤの中はシーラントでベトベトなのでは?本当にチューブが入るの?手がシーラントまみれになったらどうするの?など。
チューブレスタイヤは管理が面倒なところもありますから、この辺の情報を把握したうえでチューブレスタイヤを使うかどうかを判断して欲しいと思っています。
■まとめ
まず最初にまとめから書きます。忙しい人はここだけ読んでもらえればOKです。
チューブレスタイヤを外して分かった事
- チューブレスタイヤ(GP5000TL)でもシーラントは必要
- シーラントのラテックスは、リムとタイヤビードの気密のために使われる
- ラテックスが使われたシーラントは、タイヤの中で水分だけになる
タイヤがチューブレスでも、リムとビードをシールするためにシーラントは必要です。またここのシールのためにラテックスが消費されますので、タイヤに残るシーラントは徐々にラテックス成分が薄くなっていくようです。シーラントは定期的な交換&補充が必要ですね。
■ホイール、タイヤの状況
まず使っていたホイール、タイヤなどの情報は以下の通りです。
- タイヤ:コンチネンタル GP5000 チューブレス25C(前後とも)
- ホイール:DTswiss ERC1400 SPLINE 47(カーボンリム&ディスクブレーキ)
- 使用開始日:2020年6月
- 使用したシーラント、量:スタンズのNOTUBES。最初にフロント、リアとも40ml程度を注入し、10月に15ml程度を注ぎ足し。
11月にENVE45を買いましたので、売却のためにDTswissのホイールからはタイヤを外しました。ホイールなんて1つしか使えませんからね…。GP5000のチューブレスは非常に良いタイヤでした。次はGP5000チューブレスと同じくらい高評価であるシュワルベを使う事にします。
■外したチューブレスタイヤ
それでは外したチューブレスタイヤがどうなっているのか確認していきましょう。
タイヤ側の状況
まずはリアホイールから作業します。
タイヤは、シーラントによりリムに接着されているような状態になっています。まずはこれを剥がします。シーラントは、まだ水分を保持しているためゲル状(『湯葉』とか言われます)になってビードに付着しています。接着されていると言っても、少し強めに押すと剥がれていきます。
GP5000はインナーライナー層を持つ『チューブレスタイヤ』です。そのためタイヤの気密確保にシーラントは不要です。しかし実際には、タイヤとリムの接合部について、気密性が確保出来るほと完全には密着してくれません。
そのためここから空気が漏れないようにするために、シーラントを使う必要があります。チューブレスタイヤでも、結局はシーラントが必要なケースが多いと思います。
タイヤビード部分に付着している白っぽい物質がシーラントです。スタンズのシーラントはラテックスなので、ラテックスが蓄積して気密を確保しています。
タイヤ側には透明の液体が残っています。スタンズのシーラントは白濁した液体なのですが、ラテックスが分離して水分だけになってしまっています。ラテックスはリムとタイヤの気密のために全て使われてしまうという事が分かります。しかしこの水分だけの状態では、パンク穴を塞ぐ機能はもはや残っていないですよね。
一方、6月にヴィットリアコルサのチューブレスからGP5000にタイヤ交換した時は、半年経ったシーラントは白いままでした。この違いはどこから来るのか?
フロントタイヤも見てみます。リアと同様に、ビードにはシーラントが蓄積しています。
中も同様で、ラテックスが消費され尽くして、残るはただの水分になってしまっています。
リム側の状況
それではリム側です。まずバルブ付近です。この周りだけは、シーラントが付着しています。やはり最初はバルブ周辺から空気が出ていこうとするため、この周辺にシーラントが集まるのでしょう。
逆にバルブ以外の部分には、シーラントの付着は見られず。
タイヤ側のビードにはあんなにシーラントが付着していたのに、リム側には全く残っていません。水洗いすると綺麗に落ちてしまう程度の微細な量です。
■GP5000チューブレスについて
タイヤを外した後の状況は、以上の通りです。GP5000のチューブレスですが、タイヤ自体にライナーがあると言っても、やはりリムとの気密を確保するためにシーラントは必要になると思います。
GP5000TLユーザーの中には、シーラントを全く使わずに運用している人もいるようです。私からするとリムとの気密をどうやって確保しているのか?謎が多いです。またパンクした時のことを考えると、結局はシーラントは必要になると思いますね。
そう考えるとタイヤ自体の気密性が高いのは確かなので、多少組付けやすいチューブレスレディタイヤ程度に考えておいた方が良さそうです。
■パンク時の対応について
シーラントは時間の経過と共にラテックスが分離して、タイヤの中に残るは水分のみになることが分かりました。Twitterでチューブレスの話をしていたところ『劣化すると水の様になる』と言っていた人もいましたので、現象は一致します。
起きていることは、劣化というよりはビードとの気密に使われてしまうからでしょう。シーラントが水分だけの状態になってしまったらパンクを塞ぐ機能は無いですから、定期的な確認と補充が必要ですね。
では確認はどうやるの?という点が問題になると思いますが、シリンジをセットして吸い出す方法が可能なようです。今度試してみたいと思います。
■まとめ(再)
それでは改めてまとめです。
- チューブレスタイヤ(GP5000TL)でもシーラントは必要
- シーラントのラテックスは、リムとタイヤビードの気密のために使われる
- ラテックスが使われたシーラントは、タイヤの中で水分だけになる
今回も色々な事が分かりました。チューブレスタイヤを検討している人は参考にしていただければと思います。