【2023PBP走行記 その10】PC6:BREST~PC7:CARHAIX(697km)まで
PBPの走行記録その10です。今回は折り返しのブレストを出発し、697km地点のPC7、カレまで。ようやく復路に入ります。前回(その9)はこちらから。
■PC7:CARHAIX(697km)まで
さて、カレに向けて出発しますが、カレは朝の3時までいたところ。カレとブレストを往復するだけで180km。1ブルべですよ。
ブレストの出発は12時。カレの到着予定時刻は16:20としていますが、5時間はかかるでしょうからついに計画より遅れることとなりそうです。
コースプロファイルは以下の通り。ブレストのアイコンであるプルガステル橋を渡り、10kmを過ぎたあたりから分かりやすい登りが連続するコースです。
海、そしてプルガステル橋へ
まずは再びブレストの街中を通過して海へ向かいます。相変わらず交通量が多くて走り辛い。
15分ほど走ると海が見えてきます。
砂浜もあって観光客も多い。隣にいたフランスのランドヌーズと互いに写真を撮りました。
他の写真に彼女のゼッケンNo.が写っていたので結果を確認してみたところ、残念ながらヴィレンヌでDNFしていました。切ない…。
5分後にプルガステル橋に到着。写真を撮った後に1段高くなっている歩道から自転車を下ろしたら、衝撃でなんとチェーンがインナーの内側に落ちる…。5分ほど格闘している間にぜっとさんが通り過ぎて行った(笑)
ちなみに写真はプルガステル橋の隣にかかる斜張橋のイロワーズ橋(Pont de l’Iroise:1994年供用開始)です。プルガステル橋は1930年の完成と古いため、現在は歩行者用に供されています。しかしプルガステル橋を渡る限りはあのアーチをこの目で見ることは出来ないのですよね。
ここから先は登りと暑さとの闘い。気温は30度前後をキープしており暑いものの、2日目と同様に埼玉ほどではないのでどうにか耐えられます。埼玉なんて(群馬や栃木も同様ですが)気温40度、湿度80%ですからね。死にます。
登りもまぁ大変ではありますが、6~7%程度の斜度なので10%が平気で出てくる伊豆や定峰・白石よりも余程まし。それでもPBPのコースで7%の斜度はほぼ無いため、十分に激坂というイメージです。登りではドラフティングの恩恵が少ないため、自分の力で登るしかなく、地力が問われる部分でもあります。
この区間でトリさんと会いました。今回はあまり体調が良くなかったようで、非常に苦労しながら登坂している様子。しばらく並走しておしゃべりした後、お別れして先へ進みます。
しかし暑さで水の消費が多いのは変わらず。一方、600kmも走るとだいぶ要領をつかんできて、どの辺に私設エイドがありそうか?ということも分かるようになってきます。1つエイドがあると1km先にもある、という感じで集落の人達は皆さんエイドを設置しているイメージでした。
そのためエイド区間が現れると必ず停車して気にせず飲めるだけ水を飲み、走り出したら上半身に水をかけて体も冷却。1km先のエイドにまた立ち寄って水や果物を補給して水をかぶる、その1km先でも同様に補給、を繰り返して干からびないように進んでいきます。1度補給したら終わりではなく、全てのエイドに停まって水分を存分に補給するのがポイント。
これでまた1時間(20kmくらい)は950mlのボトル1本の水で走れますので、ボトル1本でやりくりが可能でした。
こちらはブレストを出て43km地点の街、ポン=ド=ビュイ=レ=キメルシュの雑貨店。山岳地帯を突破した後の久々の街でしたので、隣のBARと合わせて大混雑です。
私もチェリーコークを補給。珍しくしっかり冷えていて非常に美味しかった。時刻は14:30。43kmに2時間半かかっていますので、グロス17km/hちょい。まあまあでしょうか。ここではbaruさんと一緒にコーラを飲んだ記憶。
フランスは概ね5~10kmおきに丘の上に街があり、街を出るとその間は農家が点在するのみ。街を出るとひたすら日陰の無い道が続く。エイドのご厚意に与りながら、進んでいきます。
シークレットのプレバンに到着
↑の画像から20分後、Pleyben(プレバン)という街に到着しましたが、ここがシークレットに設定されていました。事前の想定では、これまでと同様にカレの先にあるグアレックがシークレットであろうとなっていましたが、今回は往復とも補給ポイントの街とシークレットの街は分離されていました。
スタッフに誘導されて自転車を停め、チェックを受けます。到着は15:06、ブレストから54km地点です。途中の休憩を挟みつつ、18km/hのアベレージで進んでいます。
ここでは地元のBARが屋台を出していました。暑いので大賑わいです。
私は水道で顔を洗い、ボトルに水を補給してリスタート。トイレも綺麗だったので利用しておきました。
こちらはシークレットのすぐ隣にあるSaint-Germain church in Pleybenという教会。大きな門も備えており実に見事です。
プレバンを出るとふたたび田舎道。なだらかな起伏が続きますが、景色はトウモロコシ畑、牧場、牧草地のどれか。
■ようやくカレに到着
17:08、ようやく697km地点のカレに到着しました。14時間ぶりのカレ。
計画比で50分の遅れ、クローズタイムには3時間の貯金があります。しっかりと食事をしてルデアックまでの道中に備えます。レストランで食事しながらサプリメントを飲みスマホの充電なども済ませ、寝ている人の隣でストレッチなども行います。ついでにこっそり股もアルコールシートで拭いておく。そして道中は私設エイドで水をもらってしのぐというスタイルが出来てきました。
ここのトイレの前で、84時間部門のPEKOさんと会いました。速いよ、速すぎます(笑) 久々に知り合いと会って会話をしたので、少し元気が出る。
また同じたまがわのけいたさんとも遭遇。聞くと膝が痛いとのことで、メディカルに罹っていました。かなり心配でしたが、結果は無事に完走しておられました。
ちなみにこのPCはカフェがレストランの裏側にあり、目立たないことから空いているのでお勧めです。
色々あったのでカレには約90分滞在し、いよいよルデアックに向けて出発。まずは中間地点の35km先(732km地点)にある補給ポイントの街、GOUAREC(グアレック)を目指します。計画上の到着時刻は18:50。
ここ、カレの出発時刻が既に18:30なのですが、大丈夫なのだろうか…。クローズタイム(仮想)は22:47なので問題はありませんが、計画からの遅れが生じると仮眠時間が減るということになります。ブレストを過ぎると楽になるはずだったのですが、予想通り疲れてくるとアベレージも下がるので、全く楽になりません(笑)
その11へ続きます。