【レビュー】性能と価格のバランスが(良い方に)おかしなビブショーツ カステリ『COMPETIZIONE 2 BIBSHORT』
カステリのビブニッカー『COMPETIZIONE 2 BIBSHORT』のレビューです。日本語読みは『コンペティツィオーネ』です。

商品の購入はカステリ公式オンラインストアがお勧めです。本国の倉庫から出荷されるため、各カラー、サイズの在庫が豊富です。
※記事の最後に当ブログ専用クーポンコードの記載があります。ぜひ利用ください。

■総合評価
- 2番目に安価なビブショーツだが、機能は上位モデル譲りで非常にコスパ高い
- パッドはKISS Air2でロングライド向き
- 前作から全体的にリファイン
- カステリの高機能ビブショーツを手軽に使いたい人
- 毎日の練習で気軽に使えるビブショーツとして
- パッドがKISS Air2なので、ロングライドにも良い
■入手経緯
通常は『購入動機』となるこのパートですが、今回はカステリ社のご厚意によりこちらのビブショーツを提供いただきました。いつもありがとうございます。そのため『入手経緯』としています。
■製品概要
製品スペック
まずはWebサイトに載っている情報を以下にまとめます。
- 価格:18,150円(税込)
- カラー展開:4色(2025年5月時点)
- サイズ展開:XS、S、M、L、XL、XXL、3XL
- フィット:タイトフィット
- 対応温度帯:15~35度
- 紫外線防止指数:UPF50+
- 公称重量:176g(恐らくLサイズの場合)
- 実測重量:154g(Mサイズ)
- パッド:KISS Air2
価格は18,150円。ビブショーツの中では『ENTRATA2 BIBSHORT』に次ぐ安さです。カステリ製品では非常に安価な部類に入ります。
2025年5月現在で最も高額なカステリのビブショーツは『PREMIO EVO BIBSHORT』、お値段なんと46,200円。
価格は約6割引きですが、性能は2~3割引きくらい。『価格設定を間違ってませんか…?』と思わせる製品です。
また本製品ですが、デザイン違いの派生モデルがあります。『COMPETIZIONE 2 KIT BIBSHORT』と『#GIRO COMPETIZIONE 2 BIBSHORT』(※Giro d’Italiaモデル)です。
更にビブストラップの無いショーツ版『COMPETIZIONE 2 SHORT』もあります。
製品ライン上の位置づけ
カステリ製品の中での位置づけですが、個人的なカテゴライズではエントリーモデルとなります。
理由は価格が安いこともありますが、パッドにレギュラーモデルの『KISS Air2』が採用されていることです(あくまで個人的な見解です)。
カステリは製品コンセプトとしてレースを非常に重視しており、常に各時代のレーサーに製品を供給してきました。そしてカステリのパッドは『KISS Air2』と『Progetto X2 Air』の2つしかありませんが、ほとんどの製品にはレース向けである『Progetto X2 Air』の高性能パッドが採用されています。
数少ない『KISS Air2』採用モデルは、ロード用ビブショーツにおいては本製品と『ENTRATA2 BIBSHORT』しかありません。それ程『KISS Air2』パッドの採用モデルは少ないので、あえてエントリーモデルとさせていただきました。
そのエントリーモデルの性能が高過ぎるので、気になる方は買った方が良いですよ…ということが、この記事で唯一の伝えたいことです。
ちなみに『KISS Air2』パッドも非常に完成度が高いです。良い/悪いではなく、性格の違いです。
レースに出ないのであれば、むしろ『KISS Air2』を選んだ方が良い方がいるであろうことを書き添えておきます。私も先ほどの『PREMIO EVO BIBSHORT』に『KISS Air2』が搭載されたモデルが出ないかな?と思っていたりします。
全景
前置きが長くなりましたが製品紹介です。まず全景です。
メイン部分はパッド周りの生地と側面、裾のグリップ部で別の生地が使われているというオーソドックスな構成。前面にもカステリロゴがあります。

製造国はイタリアです。製造拠点は東欧に分散しているイメージが強かったのですが、最近はイタリアが増えていますね。

各部の紹介
まずはパッドです。前述の通りパッドは『Kiss Air2』を使っています。

KISS Air2はエントリーモデルに使われますが、こちらの方がパッドに厚みがありクッション性が高く快適です。それでいてペダリングの妨げにはならないという優秀なパッド。そのためブルべではKISS Air2の方が快適だったりします。
ストラップはきしめんタイプにアップグレード。着圧が分散して非常に快適です。ストラップは順次このタイプに置き換わっていますね。

本製品は『COMPETIZIONE 2』の名称の通り2世代目にあたります。前作はこのような幅狭タイプであり、リニューアルした点の1つ。

本製品は複数のパネルから構成されていますが、縫い目の処理は安価であるポイントだと思います。上位モデルであるほど、縫い目は外に露出しなくなります。

気になるグリップ部分です。こちらも上位モデルと違いが出る部分であり、裾は別の生地となっているため縫い目があります。縫い目はフィット感に影響しますよね。

上位モデルになると、1枚の生地の裾部分にだけシリコンを織り込んでくるという、手の込んだ製法を採用しています。
ちなみに本製品も裾部分の生地全体がグリップになっているわけではなく、下半分にのみマイクロタイプのグリップが配置されています。

生地
生地はナイロン80%、ポリウレタン20%という混紡比率。

耐久性が求められるビブショーツには耐摩耗性に優れるナイロンが使われますが、エントリーモデルのためかナイロン比率が若干高め。伸縮性よりも耐久性重視となっています。
実測重量
Mサイズの実測重量は154gでした。軽量さを追求した『SUPERLEGERA BIBSHORT』が140gですから、軽量な部類に入るといえます。

■レビュー
サイズ感
今回はMサイズです。私は身長170cm、体重は58kg。割とやせ型の体型です。今回もMサイズでジャストフィットでした。

パネリング
本製品は、大きく3つのパネルから構成されています。

①は『Vortex V2』生地。表面に細かなディンプルがある構造で、空気抵抗を削減するほか、適度な着圧がありペダリングをサポートする機能があります。
②は『Affinity Pro Lycra®』生地。パッド周辺にも使われていますので、肌触りを重視しているほか優れた伸縮性とフィット感を重視しています。
③はグリップ部。内蔵されたマイクロシリコンが適度にグリップします。
このように安価なエントリーモデルながら、出来うる限りの空力性能向上とペダリングのサポートを行う取り組みがなされています。
またUPFも50+と非常に高い数値になっており、紫外線を98%以上カットします。
実走
さて実走です。
今回は、例によってさいたま市から荒川CRを北上します。気温は25度前後ですが湿度が高く、5月中旬ながら蒸し暑さを感じる天候です。

この日は『CLIMBER’S A/C JERSEY』を上に合わせています。『CLIMBER’S A/C JERSEY』の通気性は高く、25度程度であれば気化熱のおかげでむしろ涼しさを感じるほど。
『COMPETIZIONE 2 BIBSHORT』も『SUPERLEGGERA BIBSHORT』や『A/C BIBSHORT』などの真夏用ビブほどではないですが、十分に通気性は確保されています。
スピードが乗り始めると、まず感じるのはペダリングの快適さ。適度な着圧で生地が脚に密着する感覚です。先ほど紹介したようにサイドの生地とパッド周辺の生地は伸縮性が微妙に異なるのですが、この組み合わせが絶妙で、本当に大腿筋の動きがサポートされるような感覚。パッドの位置もビシッ!と決まってストレスフリー。
このフィット感の高さや着圧感のベースとなっているのが、裾のグリップ部分。

前述のように、下半分だけグリップが配されているのが分かりますでしょうか。この部分は伸縮性の高い生地が使われていますが、半分だけグリップを配置することで、絶妙に適度な固定力を実現しています。裾の位置がしっかり決まるので、ペダリングのサポート感も設計意図の通りに性能が発揮されているのでしょう。
なぜこんな高性能ビブショーツが18,000円程度で売られているのか…?(ちなみに『MOROU2025』クーポンを使うとなんと約14,500円)
『あと1万円高い値付けでも売れるのでは…?』
と性能に無関係なことばかり考えて走っていました。
KISS Air2パッドも、サドルに腰かけた瞬間に『もちっ』とした感触が伝わり、安定したペダリングが可能です。厚みがあるのでレースにはProgetto X2 Airの方が適しているかなと思いますが、レースでなければKISS Air2を勧めたいところです。
と絶賛する内容ばかり書き連ねてしまいましたが、やはり上位モデルには及ばない点もあります。それはやはり生地の薄さと通気性。それと前述の縫い目の処理など。
特にROSSO CORSAシリーズやPREMIOなどは高い伸縮性とサポート性を非常に薄い生地で実現しており、性能もさることながら快適性も高いレベルにあります。
この辺りが価格差の要因ではありますが、それでも『COMPETIZIONE 2 BIBSHORT』の完成度はかなりのものだと感じました。
■まとめ
エントリーモデル(※個人的な分類です)ではありますが非常に完成度が高く、コストパフォーマンスに非常に優れるモデルです。
『COMPETIZIONE』という名称に恥じない性能ですが、価格は18,150円(2025年5月時点)。まずはこのモデルを購入してもらい、カステリ沼に入って欲しいというメッセージを感じます。
生地も耐久性に配慮されており長く使えると思いますので、毎日使う場合などにも最適。このお買い得なモデルが広まって欲しいですね、1着持っているとハードに使い回せると思います。
デザイン違いの『COMPETIZIONE 2 KIT BIBSHORT』もありますので、検討の際はそちらも併せて確認ください。
カステリの直販サイトはこちらから。カステリは室内での試着のみであれば、返品の際の送料が無料になります(返品送料無料については、いくつか条件がありますので事前に確認ください)。

『COMPETIZIONE 2 KIT BIBSHORT』はこちら。

カステリ社から当ブログ用のクーポンコードを発行いただきましたので、ぜひ利用ください。コードは2つあります。既に割引になっている商品に対しては使用することが出来ませんが、常時使用可能な点が大きな特徴です。
- 『MOROU2025』:20%OFF。2025/12/31までの間、1アカウントで2回まで使用可能
- 『RideJapan』:15%OFF。有効期限なし。
※商品の購入やクーポンの使用により、当ブログに収益が発生することはありません。