スピードプレイのCリングは、高いのに何故破損するのか?破損(折れる)させずに長持ちさせる方法を考察する
さて皆様いかがお過ごしでしょうか。今回もスピードプレイのエントリです。
※他のスピプレ関連の記事はこちら。
・スピードプレイのCリングが折れた!
・スピードプレイのネジを締めすぎるとこうなる
・スピードプレイ Cリングのローテーション
・クリートの楽なはめ方
・スピードプレイ ペダル購入
前回はCリングの破損(折れる・折れた)について書いてみたいと言う事で終わりましたので、どうして破損するのか?について書いてみたいと思います。途中で何故かモチベーションが落ちてしまい、かなり間隔が空いてしまいましたが…orz
まず私の場合ですが、走行履歴を確認したところ約8,000kmで折れていました(途中で左右のリングを入れ替えています)。ちなみにメーカーの説明書には『4,800~8,000kmでクリートを交換して下さい』とありますので、一般的な寿命(の上限)だったようです。
その他の『リングが折れた』という人のブログを読んでみても、長くて8,000km程度、短いとそれ以下という方が多く、私の知り合いのbakkyさん(スピプレ専用シューズ使用)のように『5年もっている』という人はなかなかいません。
まずクリート(Cリング)の寿命に悪影響を与える要因としては、ペダルとクリートの構造からして3つあると思われます。
列記しますと、
1、ベースプレートの取り付けが悪く、平面が出ていない
2、フロート範囲の調整不足
3、定期的な注油不足
この3つです。
■原因1:平面が出ていない
前回記載したように、スピードプレイ専用シューズのソールは平面になっています。
クリートの取付に際しては、この『平面である』ということが非常に重要であり、これは説明書にもはっきり記載されています。そのため専用シューズでないシューズで平面を出すために、ベースプレートとスナップシム(以下、シム)が付属しており、これを適切に使ってしっかり平面を出すことが必要になります。
模式図を書いてみます
以下はスピードプレイのクリートとペダルを横から見た模式図です。
小学生のお絵かきの様になってしまいましたが、割と複雑な構造ですね。実際のスピプレユーザーでないと、イメージするのは難しいと思いかもしれません。この図のようにちゃんとシムとベースプレートとを取付けた状態であれば、クリートもペダルもしっかりと固定され、Cリングには想定以上の負荷がかからないことが想像出来ます。
ところがシムによる調整が適当ですと、ほんのわずかですがベースプレートが曲がった状態で取付されてしまい、その結果クリート固定ネジの長さがわずかに不足して、クリートの取付がしっかりと出来ません。
恐らく以前の私はこの状態だったと想定されます(すごく心当たりがあります…w)。
しっかり固定できない
クリート固定ネジというのは絶妙な長さでして、上記のような状態になっているとネジを締め込んでいてもネジの長さが足りないような感じがします。これが締めすぎてしまう原因でもあったのですね。
以前は『もっと長いネジで固定したらダメなのか?』と常々思っていました。
実際にたった数か月でネジが緩んできてしまい、気づくと4本あるうちの2本が完全に役目を果たしておらずクリートがグラグラしている…ということが何度もありましたしね。『よくこんな中途半端な固定状態で走っていたな…』とぞっとしたものです。要するにベースプレートが微妙に反った状態で固定されていたため、ネジの長さが不足していたのでしょう。
ベースプレートは多少柔軟性のある樹脂ですのでソールの曲がりに合わせて固定することが出来てしまうのですが、クリートは金属ですので一切曲がりません。そのまま固定すると、どうしても前側もしくは後ろ側に、ネジによる固定が甘い状況が発生します。するとクリートの脱着時には、Cリングに対してリングが開いたり閉じたりする水平方向の負荷だけでなく、固定の甘さによる上下方向の負荷も発生することになります。
『ねじれ』が発生する
これらの負荷は同時に発生しますので、要するにリングが『ねじれる』ということです。いかに頑丈な金属製のCリングと言えど、設計外のねじり負荷が数千回もかかってしまっては寿命を縮める原因になろうと言うもの。これは明らかに、リングに過大な負荷を与える要因になっていると思われますよね。
原因2:フロート範囲の調整不足
スピードプレイでは、他メーカーが形状の異なるクリートを複数用意することで実現している左右のフロート動作を、ネジで範囲を調整することによって実現しています。スピードプ
レイを全く知らない方にまで、この場でこれを詳しく説明するとかなりの長さになってしまいますので詳細は割愛します。
逆にユーザーの方であれば、『本当は足が左右に動きたがっているのに、ネジの調整によって動けなくしている』という状態が、Cリングに負荷をかけることは想像いただけると思います。この辺りは皆さんのペダリングとも密接に関係していますので、仮に負荷がかかっていたと言っても、フロート範囲を広げればそれで解決とはいきません。よってもし心当たりがあれば、ペダリングに影響の無い範囲でフロート範囲を広げるか、ペダリングの方を矯正するしかありません。
■原因3:注油不足
これはもう注油するかどうか?しかありませんので、カバーを付けていて脱着が面倒だからとほったらかしにせず(私のことですね…w)、定期的に分解清掃をして汚れを取り、注油して無用な抵抗を減らして下さい。これは説明書にも明記されていますので、意外に重要なことだと思われます。
以上の様に、スピードプレイのCリングがすぐに壊れる…コスパが悪い…とお嘆きの方は、嘆く前に出来ることがいくつかあります。