大型サドルバッグ(シートバッグ)選び 代表的な製品を比較してみる
さて今回は、私が勝手に選んだ製品を比較してみます。
製品比較マトリクス
※容量は(L)、重量は(g)、価格は(税別)
メーカー | 製品名 | 最小容量 | 最大容量 | 重量 | 価格 |
オルトリーブ | サドルバッグL | 2.7 | 330 | 6,600 | |
オルトリーブ | シートパック | 8.0 | 16.5 | 456 | 21,500 |
GIANT | SCOUT SEAT BAG | 9.0 | 440 | 6,000 | |
アピデュラ | サドルバッグ レギュラー | 17.0 | 400 | 17,000 | |
ブラックバーン | OUTPOST SEATPACK & DRY BAG | 11.0 | 475 | 15,000 | |
suew | Rera Kamuy | 3.8 | 10.2 | 520 | 29,800 |
suew | PF1 | 4.5 | 12.0 | 440 | 27,800 |
この様に並べてみると、オルトリーブのサドルバッグLの容量の小ささが際立って見えます。しかし以前は、皆これを付けてブルベを走っていたものです。正直言いますと、600km以上の場合や荷物を増やすのが好きな人以外はこのサドルバッグLで十分なのではと思います。値段も安いし。ちなみに私は、荷物を増やすのが好きなタイプです。家にレインウェアがあるのに『今日は装備を厳選した』とか言って家に置いてきて、通り雨に遭ったりすると(2016年のアタック愛鷹とか)激しく後悔します。家に置いてくるなら、初めから買わない。買うなら、降水確率0%以外は携行する。そっちのタイプ。
しかしサドルバッグLは意外と重い。これと容量が5倍はある大型サドルバッグ(シートバッグ)とでは、重量は100g前後しか変わらないんですね。
簡単なまとめ
各メーカーの特徴は以下の通り。
・オルトリーブ:どの製品も基本的に完全防水。
・GIANT:安い。
・アピデュラ:最もポピュラー。何だかんだで使いやすい。バリエーションも豊富。
・ブラックバーン:シェルとバッグが分離してバッグだけ持ち歩ける。
・suew:オーダーメイドなのでカスタマイズや修理が可能。
それぞれの特徴です
オルトリーブ サドルバッグL
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大型サドルバッグが出るまでは、みんなコレでした。防水だし安いし、今でもレインウェアの上と輪行袋程度の荷物なら、これで十分です(容量2.7L)。むしろブルベの様に距離とある程度の速さを求められる状況では、荷物の量をこれ位に抑えた方が良いとも思います。ただ、どうしても荷物が増えがちで、これでは全然容量が足りなかったという人も結構いたのは事実。それで大型サドルバッグが普及したんですね。
ただ、取付には樹脂製のアタッチメントをサドルレールに付ける必要があるのですが、それが意外とサドルを選びます。単に取付や調整を理解出来ていない・失敗している人も多いのですが、どのサドルにも取付OKという訳では無いです。
オルトリーブ シートパック
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オルトリーブからも出てますよ、ということで一応紹介しますが、ちょっと容量が大きいですよね。8~16.5Lということで、ある程度の荷物を入れることが前提です。もちろん完全防水。デザインが武骨過ぎる。45度にまっすぐ伸びる直線的なデザインなので、中折れして垂れ下がる、というのは防げそうではあります。
ジャイアント SCOUT SEAT BAG
ジャイアントから価格破壊的な製品が出たということで、一時期流行しました。お値段6,000円というのが特徴と言えます。容量は9Lなので標準的。特にこだわりがなければ、これを買っておけば良いのではないでしょうか。まぁブランドが完成車メーカーのジャイアントなので、自分の乗っている自転車のブランドとの兼ね合いで購入するのに抵抗があるという人は多いかも(笑)
アピデュラ サドルバッグ
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皆さん知っていると思うので今更紹介しません。選ぶのが面倒だったら、とりあえずこれを買っておけば大丈夫です。レギュラーという名称の製品があるんですが、容量17Lもある。普通の人はそんなに要らないですね。この下のコンパクトなら11Lなので、それで十分。価格は1,000円しか変わらないけど。
suew Rera Kamuy
ブルベ界での火付け役のsuewさんです。現在の主力商品はこれになるのでしょうか。
最初に出た(私も使っている)Fast Cruiseや今まで紹介したその他の商品は、バッグの一番後ろが大きく開いていて、そこから荷物を出し入れします。ところがこの方式は構造が簡便なのは良いですが、先端の方に入れた荷物の出し入れが面倒くさいという構造的な欠点があります。
前回紹介したように、このジャンルのバッグは基本的には荷物をパンパンに詰めることで運用する方式です。荷物の出し入れを繰り返していると、徐々に全体のコンプレッションが甘くなってきます。そうなるとツーリングやブルベの途中に、バッグ自体を外してコンプレッションし直したうえで再度自転車に装着する…という作業が発生してしまいます。
これはその欠点を解消した製品で、『バッグの中を前後に分ける』という発想で作られています。実際に荷室が分かれている訳では無いのですが、コンプレッション用のベルトを備えており、バッグの前半部分だけを効率的にコンプレッション出来るようになっています。そのため後半の荷物を出し入れしても、バッグ全体のコンプレッションが甘くなるということが無いという訳です。荷物も後端から出し入れするのではなく、上にファスナーが付いていて手軽に取り出すことが出来るという。
更にこのKamuyという製品は、底面にハーネスがついており、これでバッグをホールドする仕組みになっています。これなら少量の荷物でも、バッグが型崩れすることなく運用が可能ですね。リアフェンダーの代わりにもなるので、単独走であればフェンダー不要ですね。
PF1
いつの間にかReraの次の製品が出ていました。2017年の9月リリースとあるので、つい最近ですね。これはいったい何が異なるのかというと、『固定ベルトの位置を自由に変えることが出来る』という点です。よく製品化しましたね…。
最初は良く理解出来なかったのですが、画像を良く見ると、バッグのこの黒い部分が全部面ファスナーになっているんですね。拡大だとこう。
確かにこのシートポスト・サドルレールに固定する部分のベルトが可変したら、どんなバイクでもジャストフィットします。サドルを交換したりポジションをいじると、当然ながらバッグの取付角度がポジションに合わせて変わってしまい、不本意な状態になることがありました。
しかしこの仕組みならそういった心配は必要ないということですね。この手のバッグを使っていたら分かりますが、これは結構すごいことかも。だいたいどんな人でも、どちらかのベルトは角度が合わなくて、多少無理やり装着しているのが現状と思います。ベルトに負荷がかかるし、バッグも安定しない。バッグが安定しないということは、走りも安定しないということです。
当然ながらこんな(作る側としては)面倒な仕組みなのでお値段もそれなりですが、これはちょっと使ってみたいかも知れません。その他の造りは、上記のReraと同様のようです。
あと、suewのバッグは輪行した時のことを考えて作られており、その点はRera・PF1も同様です。この輪行用ストラップがあるというのは良かった。ストラップがあると肩からバッグをかけられるので、両手が自由になります。これが地味にとっても便利。
というか、買うならこれかな…。今更アピデュラというのも無いです、基本的な構造は一緒だし。それなら今のFast Cruise を使い続けます。
・フロント部分のコンプレッション機能がある
・固定ベルトの位置が可変
・荷物を上から取り出せる
と、これだけ進化しているのですから、ちょっと使ってみたい。しかもPF1は在庫をしているらしく、納期も短そうです。もうダメだ、ちょっとsuewさんに聞いてみよう(笑)
⇒結局買いました。