Garmin Edge1030Jを買いました。ブルベで使えるかをインプレする。使ってみた編
さてEdge1030Jを実際にSR600四国(450km、一部台風)や日頃のライド、先日の小鹿野200の試走(200km)で使ってみた感想です。
■評価基準
ブルベで使えるかどうか?という観点から、主にこの3点での感想です。
- 持続時間
- 便利機能
- 防水性
それでは、まず肝心の持続時間から。
■持続時間
40時間は余裕でいけます
まずそもそもの導入契機であったSR600四国では、3日間使用しました。1日あたり11時間程度使用しましたので、合計で約33時間くらい。この時は更にモバイルバッテリーも持っていたので、スマホの充電に流用する事は気にせずにまずは拡張バッテリーの電力から消費します。宿に2泊もしましたので充電出来る環境ではあったのですが、1日目のバッテリー減り具合から大丈夫と判断し、あえてライトとスマホの充電しかしませんでした(サイコンの充電をしなくて良かったので、それだけでも宿でくつろぐ時間が増えました)。
結果として拡張バッテリーは空になりましたが、本体は30%弱ほど残っていました。想定通りの結果です。少なくとも40時間はいけるでしょう。しかし2泊もしてサイコンの充電をしなくて良い時代が来るとは!進歩って素晴らしい。
バッテリーマネジメントから解放される!
Edge520を使っていた8月までと比べて、バッテリーの充電を気にしなくて良くなったので走りやその他の事に集中出来たし、モバイルバッテリーを出してケーブルで接続して…という作業が一度も無かったので、あの時間が厳しい中で確実に時短になりました。頭の中のメモリーからバッテリー充電の事を完全に消去出来るというのは大きいですね。これは非常に満足です。もう戻れません。
また何よりも、長距離ブルベでの走行計画が非常に立てやすくなるというのも有難いです。1000km以上のブルベですと、バッテリーの充電問題が常について回ります。乾電池式のライトやeTrexをメインにして、エネループを大量に持ち歩く・電池が無くなったらコンビニで調達、という一昔前のスタイルではそれ程には困りませんでしたが、今やほとんどの人が軽量なリチウムイオンバッテリーを選択しています。
バッテリーの充電にはそれなりに時間がかかるため、しっかり充電するには宿に泊まる必要があります。走行中に消費する電力は変わりませんから、Edge1030を使っていても結局はいつか充電しなくてはいけないのですが、そのタイミングに柔軟性を持たせることが出来るというのは随分とバッテリーマネジメントがやりやすくなると思います。1000kmの制限時間は75時間ですが、44時間持つのであれば中間あたりで1度だけ充電すればOKですからね。
雨の日の悩みが1つ無くなる
後は、雨が降ってもバッテリーの心配をしなくて良くなったのは大きい。晴れていればEdge520にケーブルを挿しっぱなしで充電出来るのですが、雨だとそうもいきません。雨の場合、従来はですね…
・ケーブルを挿したままサドルバッグの中に放り込む(その間はサイコンは見ることが出来ない)
・数十キロごとにコンビニに立ち寄り、その度に10分とか充電する(都合よくコンビニが無いと無理だし非常に面倒)
などの涙ぐましい努力をしていたのですが、それらから解放されました。
実際に2018年の6月に走った神流川300では雨だったので上記の運用をしていたのですが、こんな事件も発生しました。道の駅でランチを食べている時に、少しでも短時間で充電すべく本体の電源を切ってから充電を開始。食べ終わってもあまり充電回復しなかったので、そのままモバイルバッテリーと接続した状態でサドルバッグに放り込んでしまったんですよね(雨のブルベだったので)。そしたらEdge520の電源を切っていた事に2時間以上気づかず、50km以上もログを取らないまま走ってしまいました…。今後はこの様な事故も無くなります(笑)
このように40時間以上バッテリーが持続してくれるのであれば、バッテリーマネジメントが非常に楽になります。これだけでも買う価値があります。Edge520をちまちま充電する時代には、もう戻れません。
■使い勝手
次に色々な使い勝手です。
wifi接続
まずはwifi接続。Edge820でも出来ていましたが、当然ながら1030でもwifi接続が可能です。自宅のwifiの範囲に入ると即接続して、未アップロードのログのアップを勝手にしてくれます。Edge520の時はbluetooth接続でスマホ経由だったので、それに比べると非常に楽です。ファームのアップデートも勝手に検索します。もはや充電以外でケーブルを接続する必要はありません。
タッチパネル
タッチパネルについてですが、画面が大きいこともあって非常にストレス無く操作出来ます。これはCPUが進化したこともあると思います、820より数倍高速のCPUのようです。パイオニアのSGX-CA500もタッチパネル・wifi接続可能ですが、どちらも1030の方が圧倒的に便利で、パイオニアの数少ない優位性が無くなってしまいました。パイオニアとEdge1030とではタッチパネルの方式が異なりますが、やはり画面がある程度大きくないとタッチパネルは辛いですね。その点、Edgeシリーズは代を重ねて着実に改善がなされていると感じます。
※パイオニアは『SGX-CA600』でタッチパネル方式をやめました
ナビゲーションが『使える』レベルに
Edge1030Jには詳細な日本の道路地図がプリインストールされています。この地図は、Edge820では『昭文社 日本詳細道路地図2016年版』ですが、Edge1030では『昭文社 日本詳細道路地図2017年版』が入っており、1030の方が新しくなっています。
GPXなどでルートを入れておくと(スマホ経由で出来る)、右左折ポイントの手前でアラート音と共にナビ表示をしてくれるのはEdge820と同様ですが、CPUの強化によってこれが非常にスムーズです。CPUに負荷のかかるナビをさせても、820で良く聞くようなフリーズしてしまう現象は今のところ発生していません。『820でも出来たでしょ』と言われそうですが、820ではフリーズするというのを非常に良く聞いていたので、手を出せずにいたんですよね…。
ちなみにガーミンのアプリストア『connect IQ』にガーミン端末のCPUベンチマークをしてくれるアプリがあるのですが、それを520と1030にそれぞれ入れて実行してみたところ、下記のような表示に。最下段の『CPU』の表示の横にあるのがスコアです。
アプリ作者によると『Pips』という独自のスコアで計算を行っているらしいのですが、演算方法はともかく、数値を比較するとEdge1030はEdge520の10倍程度の演算能力があるということになります。
今までは単にeTrexにルートを表示させていただけだったので、曲がるポイントに気付かずに直進してしまうことが幾度となくありました。それがEdge1030では数百m手前で音と共に『確実に』アラートを出してくれるので、ミスコースがほぼなくなりました。これはかなりのメリットです。
ちなみに地図も大きな画面のおかげでかなり見やすいのですが、拡大/縮小はスマホの様には出来ず、画面上部の+/-をタップして操作します(Edge820と同じ)。スマホのように2本指でピンチ操作をしたくなりますが、出来ません。これは走行中に操作するのは危険なので、やらない方が良いです。同じ理由で地図のスクロールも、走行中にはやらない方が良いでしょう。
■防水性
防水性は歴代のEdgeを使ってきて全く問題無いのは分かっている(ただし高度計はすぐ死ぬ)のですが、Edge1030についても台風の中を走りましたが問題ありませんでした。拡張バッテリーを接続した状態でダウンヒルもしましたが、隙間からも浸水せず優秀な防水性です。タッチパネルは静電容量方式なので、水滴がついた状態だと操作は出来ません。この点はスマホと同じですね。
私の場合はDi2の隠しスイッチを介して画面送りなどの操作しているので、雨でも問題ありません。1000Jでもあった画面ロック機能を使えば、帯電した水滴によって画面が勝手に切り替わるなどの誤動作を防ぐことが出来ます。
■まとめ
大容量バッテリー・大画面・スムースなタッチパネル操作で、今のところ重い以外の不満な点がありません。強いてあげればWahooやシマノDi2(E-tube)の様にスマホから設定が出来るようになって欲しい程度でしょうか。
後はJモデルについてはガーミンジャパンによる本体のバッテリー交換サービスというのがあります(Edge520Jなどもそうです)。ところがその料金が結構高い。恐らくですが、修理扱いになるためと思います。ここは修理と同一の扱いでは無くてもう少し安価になってくれると有難いですね。2年使ったらバッテリーはかなりヘタりますからね。
修理の場合のように故障個所の特定を行う工数などが無い訳ですから、少々腑に落ちない点ではあります。ただスマホのバッテリー交換を見ていると、バッテリーの交換作業がそれなりに大変な作業だと言う事は理解は出来ます。
とにかく、今後は超ロングだろうが雨だろうがバッテリーを全く気にせずに走れるようになったのは非常に大きいです。200kmや300kmの場合でも、とりあえず拡張バッテリーも積んでいって、使わなければスマホの充電にも使えますしね。気になっている人は、すぐに買いましょう。後悔はさせません。買わない方が後悔します。