チューブレス

【チューブレス完結編1】石鹸水もシーラントも使わないビード上げの方法(チューブレスのやり方・導入方法)

morou2

昨年末にフロントホイールをチューブレス化して1か月以上経ちましたが、リアホイールは放置していました。ようやく気持ちに余裕が出てきたので、重い腰を上げてリアホイールをチューブレス化します。

結論から書きますと上手くチューブレスの施工が出来ました。自分なりのまとめとして、また検索でたどり着いた方とのシェアとしてロードバイクのチューブレス化のやり方とビード上げの方法を書いておきます。

今回施工したリアホイールは綺麗な状態からのスタートでしたので、工程の最初からimpactdiscさんからのアドバイスを忠実に実行することが出来ました。どうもありがとうございます。

まずはチューブレステープ編です。

■施工手順

チューブレスレディのチューブレス化の手順は以下の通りです。教えて頂いたimpactdiscさんのブログも併せて見ていただくと理解が深まると思います。

  1. チューブレステープを巻く
  2. チューブレスバルブを装着
  3. タイヤを装着
  4. 空気を入れる
  5. 一晩放置
  6. シーラント投入

1、チューブレステープを巻く

まずはチューブレステープを巻きます。製品によっては既に巻いてある場合があります。私の使うDTswissも既に巻いてありました。

また最近はニップルホールが無いホイール(カンパやフルクラムの『2-Way Fit』とか)もありますので、その場合はテープ不要です。ですが後述の通りタイヤとの相性で『タイヤが手で余裕ではまる、ゆるゆる過ぎて気密性が無くてビードが上がらない』という場合はチューブレステープを巻く必要が出てくると思います。ちなみに同じカンパ、フルクラムでも『2-Way Fit ready』というものがあり、そちらは基本的にチューブレステープが必要ですので注意。

チューブレステープは巻くのか?巻かないのか?巻くならどの程度巻くのか?の判断

今回のように既に巻いてあるホイールでも、追加でテープを巻く必要がある場合があります。タイヤとリムの組み合わせによってはゆるゆるで気密性が無く、余計に巻いてあげる必要があるのです(カンパ、フルクラム系も同様)。

クリンチャーホイールでもタイヤとホイールの相性があって、タイヤレバーを使ってもはめられない銘柄もあれば、手で余裕ではまってしまう銘柄もあるのを経験されていると思います。それと同じことがチューブレスのホイールとタイヤでもあてはまります。チューブレスで注意しなければならないのは、その組み合わせで気密性が左右されてしまうことです。

※ちなみにこのタイヤとホイールの組み合わせについては、以前の記事で少し掘り下げています。

ヴィットリアコルサのチューブレス導入 チューブレス化導入編(ロードバイク・チューブレス)

チューブレステープをリムに巻くとテープの厚みの分だけリムの円周が大きくなりますから、それだけタイヤと密着するようになり、気密性が向上するということです。タイヤをはめた状態である程度の気密性が無いと、どんなに空気を入れてもビードが上がらないという状況が発生します(空気を入れるそばから漏れますからね)。この手順をおろそかにしてはいけません。

その『追加で巻く/巻かない、巻くならどの程度巻くのか』の判断のために、面倒ですが一度タイヤをリムにはめます。その上で

はめた後にエアを入れて、シーラント無しでもビード上げが出来るか?

という条件で判断します。手で簡単にはまったりしたからと言って喜んではいけません。タイヤをはめた後にビードが上がらないと意味がありません。むしろ手ではめられない位の方が良いです。

MTBに比べて高圧で運用するロードの場合、一般的にはチューブレステープは2周程度巻くのが目安と言われています。テープの巻き数が適切だと、

手でははめられない = シーラントを入れなくても(ある程度の気密が確保されるので)ビード上げが出来る

という状況になりますので、これを目指します。私の『DTswsiss ERC 1400』+『ヴィットリア コルサ(G2.0)』の組み合わせだと、手で余裕ではまってしまい気密もへったくれもありませんでした。めでたくテープの追加貼り付けが決定です。
※ちなみにロードで2周くらい巻くのが目安というのは、リム内部が高圧になるために1周巻きだとテープが耐えられずエア漏れすることがある…という意味合いもあります。

チューブレステープの選定について

またチューブレステープですが、メーカーロゴ入りはかっこいいですが高価です。

テープをケチると施工品質に影響しますので、コストを気にせず盛大に使うのが良いです。よって、有名な例の『3M 仮固定用テープ(8898)』を使用します。私が購入した時は送料込みでLOHACOが一番安かったです。送料が220円と良心的。Amazonも安いしプライム会員なら送料無料なのですが、5巻以上でないと買えません。5巻買って、メルカリでばら売りして儲けることも考えましたが面倒なのでやめました。

このテープ、幅24mmの他は18mm/48mmしかありません。私のDTswsiss ERC14000のリム内寸は19mm。貼ってみた感想としては、幅23mmがあればベストでしたが24mmで問題ありませんでした。impactdiscさんのブログの通り、リム内寸に対して3~5mmプラスするのがベストです。手で貼っているとどうしても少し蛇行してしまうので、そのバッファとして上記の余裕をプラスしてテープ幅を決めましょう。

最も一般的であろう内寸17mmのリムについては幅21mmということになるのですが、3Mにはありません。Amazonを物色したところ、FOURIERSのリムテープが見つかりました。FOURIERSってトライスポーツで扱っているブランドですが、リムテープなんて出していたのか?しかしこれなら幅のバリエーションが多いですし、コメントを見ても問題なさそうです。が…使えそうな幅は全て売り切れになっている。

悩ましいですが、買えない場合は信頼のスタンズからも出ていますのでそちらを買いましょう。スタンズも良心的な価格なうえに貼りやすさでは断トツなので、総合的にコスパが良いです。もしくはAliexpressですね。

リムへの貼り付け作業

とうことで、ロハコから届いたのがこちら。早速リムに貼っていきます。

本来は既に貼ってあるDTswsissのチューブレステープを剥がして、リムを清掃したうえで改めて貼るべきです。しかし『上から貼っても意外と剥がれないのでは?』という『実験したい気持ち』が勝ってしまい、上から貼ってしまいました(決して面倒だった訳ではない!)。一応掃除はしてから貼っています。

チューブレステープは、めくれてしまうとそこにシーラントが侵入してテープが剥がれ、空気が漏れます。タイヤの中は非常に高圧になりますからね。少しでもめくれている箇所があると、シーラントがそこへ逃げていくのです。

そのため貼り始めはバルブ付近を避けて、バルブから90度程度ずらした位置から貼り始めるのが良いでしょう。後に空気漏れのトラブルがあった際、チューブレスバルブが原因なのかテープ施工不良が原因なのか、切り分けがしづらくなるからです。

1周貼ってスタートの位置まで戻ってきたら、30cmほど重ね貼りして終わりにします。空気漏れの原因になりますので、間違ってもちょうど1周分だけ貼ってはいけません。

私のタイヤはヴィットリアのコルサチューブレスレディですが、3Mのテープを貼る前は手だけでタイヤがはめられてしまうユルユルの状態でした。DTswiss 純正チューブレステープが既に巻かれているにも関わらず、です。この状態でエアを入れてもポンピングするそばから抜けていきます。

どんなに頑張ってポンピングしても、ぺしゃんこのままです。

そのため、テープは1周程度を追加で重ね貼りとなりました。これでタイヤとリムの密着度は『かなり頑張れば手ではめられる』程度まで上がりました。

密着度を上げます

テープを貼った後は、ビード部分のテープの密着性を上げるべく雑巾でしごいて、しっかり貼り付けていきます。端の部分は全然密着していませんので、この作業は必須です。またリム中央に気泡がある場合も、しっかりしごいてニップルホールに気泡を追い出し、密着度を上げます。

今回はテストとしてテープの上からテープを貼ってしまいましたが、この段階では剥がれそうな気配はありません。(2020/07/11追記:半年使いましたが、ノートラブルでした)

■2、チューブレスバルブの装着

穴を開ける

次のステップはチューブレスバルブの装着です。まずはバルブ用の穴を空けます。私のホイールの場合は、デフォルトの状態ではこれ位の大きな穴が開いていました。

穴の大きさはチューブレスバルブの直径に対してかなり余裕があり、気密性の点からはあまり宜しくありません。

装着すると問題なさそうですが、フロントホイールを施工した時はバルブからのエア漏れが発生しました(テープの穴が原因かどうかは分からないですが)。

こういったトラブルの可能性がありますので、穴の大きさは必要最小限で良いと思います。千枚通しなどでぷすっと。

あとはバルブを挿しこめば大丈夫。

バルブを押し付けたまま装着する

更に密着度を上げるために、ゴムの部分を指でリムに目いっぱい押し付けます。そのままの状態で、ナットを限界まで締めて固定します。

装着完了です。バルブはかなりしっかり固定されているので、反対側から引っ張られることにより中央がやや凹んでいます。

長くなりましたので、まずはここまで。次回はタイヤ装着からです。

【チューブレス完結編2】石鹸水もシーラントも使わないビード上げの方法(チューブレスのやり方・導入方法)

このホイールを半年使ったら中はどうなっているのか?という記事も書きました。

チューブレスタイヤ、そこが知りたいシリーズ ~半年経ったチューブレスタイヤのタイヤ、リムの中の状態(ヴィットリア編)~

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  1. impactdisc

    完璧です!

    私の方法は、経験値で補っているものの、先人の知恵と客観的資料を元にしています(例えばWTBの推奨リムテープ幅とか)。
    「テープを多重巻きにするといいよ」とアドバイスされたこともありますが、それがなぜなのか、理由が分かるまでは全く意味が分かりませんでした。ご存じの通り、今では分かります。

    その理をきちんと理解していただける方向けに書いているつもりなのですが、それをきちんと踏まえていただけて、大変うれしく思います。

    最近、いろいろ思うところがありまして、補足しなければいけない事項がいくつかあるのですが、新品の場合はこれまで記載した方法で全く問題ないと思います。

    逆に、最近輪行する機会がありまして、morou2さんのリア金具選びを参考にさせていただきたいな、と思いながら、どれも一長一短で悩ましいところです。

    • morou2

      ありがとうございます!
      ブログにするからには自分なりに咀嚼して書く必要がありますので、どきどきしながら書きました。OKいただけて嬉しいです(笑)
      週末のライドから数日経ちましたが、今のところ空気圧の低下もほぼなく、順調です。
      他のチューブレスのブログもいくつか見ましたが、ここまで出来るようになってようやく理解できることも多くありますね。タイヤとホイールが変われば、また臨機応変に対処しなければいけないのでしょう。

      輪行の記事は拝見させていただきました。確かに一長一短ですよね。こだわりがなければ、オーストリッチの新しいものがオーソドックスで良いとは思いますが…。

ABOUT ME
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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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