【レビュー】iGS630を1000kmブルべにナビとして実戦投入。ナビとしての性能やいかに。

iGS630のレビューの5回目となります。

2022/05/01にスタートしたブルべ『BRM501日本橋1000』を走ってきました。個人的なトピックは、新たに購入したiGS630に1000kmのナビをさせたこと。Edge530Jは家でお留守番です。

多少の不安はありましたが、iGS630はこれまでに色々いじった感触としては普通に使えそうだったため、実戦投入。無事にiGS630のナビのみで1000kmを時間内(75時間)に走り切りました。

ただし高価なEdge530Jと比較すると価格相応の点があることも事実(当然ですが)。iGS630に対して『Edge530よりも安くて高性能』という完璧さを期待する人が多いのですが、高性能さや総合的な完成度の高さを求める場合は素直にEdge530を買うことをお勧めします。

ここではレビューとして、購入を検討されている方のために『iGS630のナビ機能の実際』を紹介します。なお機能は2022/05/07時点のものです。iGPSPORTの公式Twitterによると今後も機能のアップデートが予定されている(2022/05/07に、早速ver1.05⇒1.11となりました)とのことなので、改善する可能性があります。

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■ナビとしての総合評価

3.5
  • ナビとしての働きは70点。今後のアップデートに期待。
  • 動作やスマホとの接続は安定している。
  • マップ、ルートの精度はEdge530と比較するとやや劣る。

Edge530を基準にすると、値段も7割だが性能(機能ではない)も7割という印象。機能の数が7割というのは割り切れるが、同じ機能で性能が劣るのは改善して欲しいところです。

以下よりレビューですが、Edge530を基準として比較します。

今回の1000kmでの運用ですが、基本的にiGS630に入れたルートのみを見て走ります。どうしても困った場合にのみキューシートで確認する運用です。これまでも既に5年くらいはナビ(eTrex、Edge530)のみを見て走る運用としており、特に困ったことはありません。

■優れている点

画面の見やすさ

iGS630の液晶は2.8インチ。Edge530は2.6インチであまり変わりませんが、意外と差があります。

↑の画像のiGS630には画面の下部に標高図を表示する領域がありますが、ここをOFFにすると画面一杯にマップが表示されます。

ちなみにEdge1030の液晶サイズは3.5インチで更に大きいですが、大きすぎて設置が難しい、重くなる、等のデメリットも出てきます。2.8インチくらいがバランスが良いと感じています。

またマップ画面には、設定により速度などの項目を4つまで表示させることが出来ます。4つ表示出来るのであれば、マップ画面+速度、距離、パワー、心拍数あたりを表示させて1画面だけで十分に済んでしまうという人もいるでしょう。

バッテリー持続時間の長さ

ブルべで1000km以上の距離を走る場合、毎日19時間前後は走行します。私の使い方だと夜間/早朝はバックライトを点灯し続けるので、その様な使い方でバッテリー残量に余裕が出来ると非常に運用が楽になるのです。Edge530Jではナビをさせているとバッテリーの消耗が激しく、今や15時間程度の持続時間です。

その点、iGS630の持続時間は公称で36時間(Edge530は公称20時間)。Edge530のように重たい拡張バッテリーを使わずとも20時間程度なら余裕で持続するのは、非常に有難いところ。

またiGS630の電池容量は1,300mAh。Edge530は1,000mAhです。容量は1.3倍ですが持続時間は1.8倍になっています。果たしてこの持続時間は本当なのか。

1000kmは4日にわたり走行しましたが、1~3日目の走行終了後のバッテリー残量と、使用条件は以下の通り。

  • 1日目:使用時間11時間で残量72%。昼間はバックライトOFF(夕方に1時間ほど点灯)、夜間は10%で点灯。衛星は2つ捕捉。
  • 2日目:使用時間19時間で残量32%。昼/夜ともバックライト常に10%。衛星は途中から3つ捕捉。
  • 3日目:使用時間19時間で残量28%。昼/夜ともバックライト常に10%。衛星は3つ捕捉。

1時間当たりの平均バッテリー使用量は、1日目:約2.5%、2日目:約3.5%、3日目:約3.8%となっています。バックライトを昼夜問わず点灯させていても、24時間以上は持続する計算です。

ちなみに昼間もバックライトを点灯し続けていた理由ですが、単に初日の夕方に昼間も点灯する設定に変更して、翌日以降も気が付かずにそのままになっていただけです…。

新品の状態でこれだけ残量があれば、2年後にバッテリーが劣化しても十分実用的な持続時間を維持すると思われます。

充電が早い

端子がType-Cのため、充電が早いです。残量28%からでも2時間あれば100%まで回復します(充電機器の環境によります)。

転向表示が出てもサイコン画面のまま

転向表示を出す設定が可能ですが、他の画面を見ていてもマップ画面が表示されません。地味に嬉しい機能。アラートが鳴って『右折だよ!』と教えてくれるのみ。

Edge530では曲がり角付近のマップ画面に強制的に変更され、上下ボタンを押してもサイコン画面に戻ることが出来ません。

アプリでルートが確認可能

アプリでルートを見ることが出来ます。マップはiPhoneならappleマップが表示され、動作も非常に軽い。現在地、距離の表示や標高などは出ませんが、この先にどこへ進むのか俯瞰で確認するには十分です。

私にとってブルべは自転車旅行なので、現在地やこの先にどこを通過するのか分かっていないと楽しくありません。

このアプリのおかげでルートの確認が容易になり、非常に助かりました。同じことをRide with GPSのアプリで行うとアプリが落ちます(今回は1000kmものルートだったため)。

出来れば現在地くらいは表示して欲しいところですが、googleマップですぐに確認できるためあまり不便は感じませんでした。

捕捉可能な衛星測位システムの数が多い

最大で5つの測位システムに対応しています(GPS、GLONASS、BeiDou、Galileo、QZSS)。バッテリー容量を活かした力業で、捕捉する衛星の数を増やしても実用的な使用時間を得ることが出来ます。

Edge530でも中国のBeiDou以外の4つは対応していましたが、捕捉する衛星を増やすとバッテリーの減りが明らかに早まります。そのため、捕捉する衛星は2つまでというのが現実的な使用方法でした。

今回は3つ使用しても先ほどのバッテリー残量なので、今後は日本のQZSSも加えた4つ使用してみようと思います。これから挙げる不具合が改善するかもしれません。

ちなみに途中から衛星の数を2⇒3に増やしたのは、2つでは位置が正確に表示されなかったため。GPSとBeiDou(中国)ではダメということですね…。3つ目のGalileoはヨーロッパのシステムなんですけど。

■課題点

次は課題点。こちらの方が気になるでしょう。

マップが消える

表示されているマップがいきなり消える現象が発生します。頻度は低く、1000kmの間に3度ほど発生しました。
※2022/05/07のアップデートで、この不具合が修正されたような表記があります。

発生する条件に心当たりはありません。発生したのがたまたま右左折の無い区間で助かりました。仕方ないので1kmほど放置して走っていると、突然表示が復活します。マップデータが部分的に欠落していることは考えづらいので、何らかの不具合で表示されなくなってしまうと思われます。
※マップファイルを内部で切り替える際に表示されなくなるらしい。

マップとルートがずれる

『転向表示』をONにしてナビさせていると、ポイントが100m以内に接近した場合に50mの縮尺に自動ズームする機能があります。その50mの縮尺になるとマップとルートの描画が一致しておらず、どこを曲がればよいのかわからなくなります。

田んぼの真ん中で他に道が無い状況では困りませんが、下の画像のように進行方向に2つの道があると、非常に迷います。下記画像の場合、正解のルートは手前の白い道でした。

このおかげで、最初は細かいミスコースを連発です。ポイントを通過して自動ズームが終わり、基本である200mの縮尺に戻ると正確にルートが表示されます。そこで答え合わせをして、間違っていたら復帰するということを繰り返しました。

ズレるパターンは一緒なので、1000kmも走っていると終盤は慣れてきます。人間側が学習して、次第に正しいルートを選べるようになりました…。

縮尺が固定できない

iGS630では、マップの縮尺は50、100、200、400、800、ルート全体があります。描画の精度が甘く、ズレが大きいのは50mの場合。では『転向表示(=自動ズーム)』をOFFにして100mの縮尺に固定すれば、ずれたルート表示を見なくて済むのでは?と考えました。

ところが転向表示をOFFにして縮尺100mにしても、5秒程度経つと200mに戻ってしまいます。どうやら200mが基本であり、任意の縮尺で固定することが出来ないようです。

鉄道が表示されない

マップに鉄道のデータが入っていません。これが意外と困る。線路の両側に道路があるという道が結構あるのですが、踏切を渡り線路脇の道を進むような場合だとミスコースの原因となります。

線路が表示されていれば線路の向こうの道に行くことが一目瞭然ですが、線路が表示されていない上に先ほどの雑なルート表示と相まって、線路の手前側の道を進むのか、線路の向こうの道を進むのか判別不能となるケースがありました。

これは実際の1000kmでのルートのRWGの画面ですが、この場面では分岐が3つあり非常に悩みました。iGS630側のマップに鉄道が表示されていれば、簡単なのですが。

ルートを見失う

直線のルート上を走っている時に、突如ルートの表示が消えて『ルート外れ』と表示される現象が発生します。頻度は1000kmの間に2度ほど。ナビを終了させ、再度ルートを表示させましたが、改善せず。

とりあえず目の前の道は一直線に続いていることが明らかだったのでそのまま進みました。1kmほど走っていると正常にルートが表示されるようになりました。こちらも発動の条件は不明。

マップが消える不具合と合わせると、結構な頻度になってしまいますね。
※2022/05/07のアップデートで、この不具合が修正されたような表記があります。

■まとめ

1000kmのほとんどをiGS630のみで時間内に完走しました。それなりに使えることはお分かりいただけたと思いますが、まだまだ不具合も多いです。マップが消える現象などは放置しておくと復旧しましたが、自動ズームによる描画のズレはミスコースを誘発させ、中々辛いものがあります。

このレベルの不具合があるのであれば、いかに安いとはいえわざわざEdge530から買い替えようとはしない人も多いでしょう。

サイコンとしては不満無く使えますので、ナビはこの程度と割り切れる人、ミスコースさせられたら戻れば良い(ミスコースしそうなことは分かっているので、すぐに復帰出来る)、という人は買っても大丈夫ですね。慣れると1000kmでも走れます(笑)

メーカー側は今後もアップデートを重ねると言っています(実際にこの記事を書いている前日:2022/05/07にアップデートが来た)ので、改善される可能性もあります。

バッテリー持続時間に関しては本当にメーカーのPR通りなので、私のようにEdge530のバッテリーが劣化しているという人には、有力な選択肢になると思います。

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