雑記

荒川サイクリングロードは、今も迂回路扱いって知ってました?

morou2

※追記:2021年3月下旬、元のルートが整備されて開通しました。

■荒川サイクリングロードは、今も迂回路のままなのか?

突然ですが、今の荒川サイクリングロード(荒川自転車道)の羽倉橋~上江橋間は、元々は迂回路だった…というのをご存じでしょうか?
※ここでの荒川サイクリングロードとは、埼玉県内のいわゆる上流の方を指します。羽根倉橋から北側ですね。東京都の方はそもそも自転車道ではなく、緊急用河川敷道路です。

昔は違う道だった

元々…というか、恐らく今も迂回路扱いだと思うのですが…私が荒川サイクリングロードに関して『迂回路になった』と認識してから10年以上が過ぎています。そのため、ここ10年くらいで自転車を始めた方は現在のルートが本来のサイクリングロードと認識している訳です(ルートを示す標識や看板も立ってますしね。)。

10年以上過ぎてしまうと、もはや迂回路かどうかはどうでもよく、名実ともに現在のルートが正しいサイクリングロードと言えるでしょう。以前の道に復帰する気配も無いですし。

入間TT区間についても4年もの間、工事で通行止めになってしまいます。4年も経つとその間に自転車を始めた人は入間TT区間を知らないわけです。荒川サイクリングロードについても同様の状態になっていますので、改めて確認してみようと思った次第です。

元の道ってどこ?

私がロードバイクを始めて、荒川サイクリングロードを走り始めたのは約20年前。その当時は羽倉橋~上江橋までどんなルートだったかと言いますと、

  1. 羽根倉橋東側の信号からまっすぐ北上する(リトルリーグのグラウンド方面には行かない)
  2. そのままひたすら北上し、アンモータースクールや埼玉県警の機動センター(パトカーの基地)の交差点(治水橋のふもと)まで行く
  3. そのまま北上し(ここは今でも通行可能)、途中で西にカーブして西遊馬公園の堤防の上に到着。

というルートでした。現在は1と2についてはほぼ通行不可で、3については馬宮東小学校を過ぎた先で途切れており、西遊馬公園あたりでまた復活するという状態になっています。

要するに、羽根倉橋の交差点からまっすぐに川越線の踏切まで行けたわけです。それがいつのまにか『ここは工事をするから迂回路を通ってね』となり、その状態が(私の記憶では)10年以上続いているという状況で、恐らく今後も当分はこのままだと思います。

入間TT区間を見れば分かりますが、サイクリングロードは狭いのです。どう見てもロードで飛ばすような作りではありません(そもそも飛ばしてはいけませんが)。あのままだったら、今のサイクリストの数ではキャパオーバーだったでしょう。

■検証する

それでは検証してみたいと思います。

サイクリングロードマップを確認する

まずは埼玉県県土整備部 道路環境課が製作している『サイクリングロードマップ』を見てみます。これは埼玉県庁に行くか、送料分の切手を道路環境課に送って郵送してもらうか、サイトからPDFファイルをDLすることで入手する事が可能です。

⇒埼玉県サイクリングロードマップ

マップは2種あり、『赤:利根川、江戸川用』『青:荒川、入間川、芝川、比企用』となっています。今回は荒川ですので青を使用します。県庁に行くのは面倒なのでPDFファイルをDLしましょう。マップには発行年月が記載されており『2013年3月 初版』、『2018年1月 第6版』とあります。概ね、年に一度は更新されている様子です。

実際のファイルは各自で確認いただくとして、早速問題の部分を確認してみます。

埼玉県 サイクリングロードマップより

この地図、真上が北の状態から45度ほど傾いた地図になっているのですが、赤いラインがサイクリングロードを示しています。右側の直角に折れている部分(羽根倉橋(東)交差点)ですが、秋ヶ瀬公園(大きな緑色の部分)まで赤い線が伸びていません。

そのまま直進して、左側の『21』と番号が付いた緑色の部分(荒川総合運動公園)の東側を通るルートになっています。大久保浄水場の付近ですね。2018年の地図でもこのルートのままだったとは…。羽根倉橋(東)の交差点から真っ直ぐに北上するのは、正に私が記憶している昔のルートです。

その後、田んぼを横切って大宮けんぽグラウンドの西側を通過して、治水橋の下を通るルートになっています。ここは今と同じですが、以前は田んぼを横切らずに更に北上を続けるのは前述の通りです。

しかし、荒川総合運動公園の東側の個所は昔のままなのに、なぜ治水橋の個所は今のルートが反映されているのか…?この辺りは、何度かに分けて通行止めになっていった、という事なのでしょうか。私の記憶も怪しくなってきました。

しかし大宮健保グラウンドの南側(出版健保組合大宮クラブハウス付近)まで来ているのであれば、あと少しでアンモータースクールまで行けるのですが。

次は治水橋から北側を見てみましょう。

『23』という緑色の部分は西遊馬公園です。この公園の中を通るようになって数年が経っていますが、この地図では南側を通るルートになっていますね。公園の南側を通り堤防の上に上がる道は、覚えている人も多いのではないでしょうか。

この通り、2018年の版という割には現在のルートを反映しておらず、以前はかなり異なるルートであったという事が分かります。

現地に行ってみる(南から)

それでは、実際に現地に行ってみます。まずは南側、羽根倉橋(東)の交差点です。かつてはここの交差点に脇にサイクリングロードの入り口がありましたが、現在は(少なくとも10年以上前から)この年季の入った看板が立っています。この看板の存在を気に留めた人はどの位いるのでしょうか。

看板を拡大するとこうです。赤い丸の部分には『サイクリングロード迂回路』とあります。竹藪を通過する今のルートですね、ここは迂回路なのです。赤い直線を引いた部分には『旧サイクリングロード』とあります。この看板が立つまではここを直進出来たのです。よく見ると、旧サイクリングロードはこの地図ですら健保グラウンドの南側で左折するルートになっていますね。更に直進出来ていたのは、果たしていつの時代だったのか…。

この看板の説明を見ると、通行止めの理由は堤防の増強工事のため、と記載があります。一体いつ終わるのか?この看板の向こうは、今はこのように道を造成中です。数年前までは、廃墟と化した緑色のサイクリングロードが存在していたと思います。

看板の脇にある標識です。こちらも順調に朽ちていますが、重要な部分だけは上書きして維持されている様子です。この標識が建てられたのが平成10年とありますので、既に20年以上前です。自転車道と書かれていますね。住所も浦和市ですので、かなり古い(合併してさいたま市が出来たのは平成13年)。

現地に行ってみる(北から)

南側は未だに開通する気配すらありませんので、今度は北側の治水橋に回ってみます。アンモータースクールの脇から、堤防上に少しですが進むことが可能です。

と思ったら、台風19号の後にいつの間にか新しい道が造成されていました。気づかずに進んでしまった。この写真は、少し進んで振り返ったところ。県警の機動センターが見えます。

もしかしてこのまま進むと、荒川総合運動公園(大久保浄水場)まで進めるのか?少しだけ期待しながら進んでみます。道はかなり続いているようです。

1kmほど進むと、残念ながら道が無くなってしまいました。

場所は出版健保のクラブハウスの横です。クラブハウスまでは道を作ったということか。

右手を見ると、堤防が一段高くなっており、階段まであります。これはもしかして道が続いているのか?

階段を上がってみると、砕石が敷かれている状態です。ちょっとロードでは無理。

大久保浄水場方面を見ると、柵で通行止めとなっていますが同様の状態では整備されています。これを先ほどの様に舗装して頂けると自転車が通行出来ますが、果たしてどこまでコストをかけてもらえるのか。

仕方ないので、ここでクラブハウス側に下りて一般道に復帰します。残念。

まとめ

県が作成しているマップによって、荒川サイクリングロードの羽根倉橋~上江橋間はどうやら今も迂回路扱いのままであることが分かりました。台風19号の後に堤防の整備が行われていますが、整備は20年以上前から実施されていることも確認出来ました。

その後、急速に整備が進んでいることも確認出来ましたので舗装路が羽根倉橋まで伸びる事を期待したいと思います。しかし荒川総合運動公園付近の人の多さを考えると、あのルートが再びサイクリングロードに戻る可能性は低いのではないでしょうか。

我々サイクリストも、今のサイクリングロードが迂回路だという事を知っている人も少ないですし、昔を知らないため特に困っていません。今のルートはむしろ人が少ないですから、現在のルートの方が良いでしょう。昔のサイクリングロードも大久保浄水場あたりは犬の散歩のために堤防上のサイクリングロードに登ってくる人が多く、かなり気を付けて走る必要があったことを覚えています。

堤防の整備が進むのは良いですが、現在の迂回路が10年以上経過していますから早くこちらをサイクリングロードとして扱って欲しいものです。

※2021年になって、急に工事が進み始めました。続きはこちらです。

荒川堤防の保護工事の進捗と20年ぶりにサイクリングロードが復活しそうな件

荒川堤防の保護工事の進捗② サイクリングロードがやっと元のルートに復帰

荒川サイクリングロード(荒川CR)が開通。約20年ぶりに元のルートに復帰!

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  1. impactdisc

    先日はありがとうございました&私のブログにもコメントいただきありがとうございます。

    そういえば迂回路なんですよね。
    時々迂回路の迂回路として本来のルートを突っ切れるのがグラベルバイクの面白いところで、今は工事柵で塞がれてしまいましたが、昨年の台風までは羽根倉橋から土手に上がって…なんてことを時々していました。最初に25cでグラベルに突っ込んだのもあの辺りです。

    • morou2

      いい加減、迂回を扱いは終わりにして欲しいですよね。あのパンフを直せば済むと思うのですが、他に事情があるのでしょうかね…。
      荒川CR周辺だと、ロードでは躊躇する場面が多々あるので、グラベルバイクが欲しくなります。

  2. impactdisc

    morou2さんはチューブレス28cなので躊躇なく突っ込んでください(笑)

  3. suke

    2021年3月末から羽根倉橋から北上のルートが土手上を通って上江橋まで繋がりました。
    数カ所土手の中段に降りる箇所はありますがとにかく繋がりました。

    • morou2

      sukeさん

      コメントありがとうございます。数十年ぶりに元のルートに戻りましたね。私も開通後にすぐに走りに行きました。
      荒川CRの工事関連の記事については、実はこの記事の後も2回書いておりました。今更ですがその記事へのリンクを置かせていただきました。ご指摘ありがとうございます。

ABOUT ME
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当サイトは自転車関連のパーツレビュー、ブルべの走行記録を中心としたブログです。
管理人は40代のロードバイク乗り。20年前にCannondaleのCAAD3を買って以来、Cannoncdaleばかり乗り継いでいます。 昔はメッセンジャーやレース、今はロングライドとブルベ中心。2022年エベレスティング達成、2023年PBP認定、2024年キャノボ達成。ブルべの主担当もやります。
年間走行距離は約10,000km。身長170cm、体重57kg。
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